2005.1.8
(神奈川・K海岸)
 
…クロ生成貝4態(正確にはリスタークロだが)。そばかす模様がよく発達している。当地ではどうも小穴の中がお好みのようだ。
 
 
…当夜の収穫。左からホシキヌタ・ナツメモドキ・クロ・ハナマル。下段はキイロ2ケ。ハナマルの40mm越えは当地ではあまり見かけないかも。
 
…いよいよ2005年最初の出撃。年が明けてからかなり寒い日も続いており、今回の新月大潮は当地での南方系レア生貝ゲットの最後のチャンスとなりそうである。
 
8時過ぎに到着してt姐と合流、空を見上げれば満天の星。見慣れたおうし座のすばるの横に、今一部で話題のマクホルツ彗星も小さく青く見える。雀さんの「相模の蒼い戦慄」の称号は私には恐れ多いので、「M浦の蒼い彗星」と名乗ることにしようか、と妄想するが、早や準備を終えているt嬢に現実に引き戻され、磯へと下り立つ。t嬢は首から貴重貝用のカプセルまでぶら下げて万全の構えだが、これが悲劇の伏線になるとは、かのルネヴァンダール・ワタナベでも予測できなかったことであった。
 
さて、捜索開始。とはいえ、登場するのは例によって例のメンバーばかり。t嬢は早速キイロやホシキヌタを見つけるなど今回は飛ばしている。こちらは黙々と捜索が続く。と、波打ち際の小さな岩穴の奥を覗き込むと、ここでは見ない、見慣れた模様を発見!
 
…ピンセットで引っ張り出されたのは、南紀でおなじみのナツメモドキ成貝。まだ生き延びていたか…。キイロもぽつぽつ見つかったのでさらに南方系貝への期待も高まってきた。
 
まだネタ的に弱いか、と思いつつも探索続行。ホシキヌタや大型のハナマル(40.1mm)を追加しつつ、黙々と岩に目を走らせる。…が、これはという収穫はないまま時が過ぎていく。
 
ややお疲れモードも入りはじめ、今日はだめかな、と思いつつとある大きな潮溜まりのふちにある岩に目をやると、ハナマルが固まって岩穴に入り込んでいるのを発見、これは、と思い周りに目を走らせる。っと、すぐ横の拳大の岩穴にキイロとハナマルが入っているのが見えたので、念のためにさらに穴の奥へ目をやったと同時に、探し求めていた模様が!刹那、思わずおっ!と声を上げ、ピンセットで摘み出していた。
 
…間違いない。
 
クロ生(しかも、アダルト。)!!!!!!
 
年末に亜成貝を当地で初めてゲットしたのち、成貝発見を目標にしていたところが、新年一発目で来るとは…。何でも願っとくもんだなあ。
 
強欲モードが発動して、俄然目が覚めてきた私であったが、残念ながらその後は続かなかった。さすがにくたびれて岩に座って休んでいると、遠くからt姐が近付いてくる。何か様子が変だったので何事かと聞くと、「クロ生落としちゃいました〜〜〜!!」と嘆きの声。何でも、クロ生(若貝)をやはり他の宝貝と一緒に小さい岩穴で発見、つまみ出したまでは良かったが、大事に件のカプセルに収めようとした途端、かじかんだ手からポロリと…。そして膝のところでワンバウンドしたクロ生(若貝)は逆巻く波間へ消えていったのである。あきらめ切れず辺りを探しまくったが、クロ生(若貝)は逃走に成功、t姐のぼやきは白い吐息と共に空へと吸い込まれる結果となったのであった。…合掌。