2005.2.5
(神奈川・A海岸)
…久々に打上げで遊ぼうと思い、所用ののち車を走らせ、午後のA海岸へ繰り出す。
さすがに好天の土曜とあって、磯には家族連れやカップル、釣り人が沢山出ていた(やや遅い時間だったのでバーベキューの臭いがしなかったのは助かった)。
 
 まずはいつもの打上げポイントへ。まあ先客にいろいろあさられていること必定のポイントなので期待はしていなかったが、案の定収穫なし。メやチャイロ、キイロのFDがあった程度。逆巻きでもないかと淡い期待を抱いてほじくりかえすも、今回も空しい結果に終わる。あまりの貧果にため息をついていた時、視線を感じて上を見上げる。夕日を見に来たのであろうカップルが胡散臭そうにこちらを見ている。お前らも胡散臭そうな格好だぞ、と目で語り返して撤収。磯替えを図る。時は15時半。
 
 こうなると例のパイプ浜かと思い、上から見下ろすとまだ満潮からさほど経っていないせいか、下り口が波に洗われている。あと30分待つことにし、ハイキングコースを目的もなくたどる。
 
 時間つぶしにはなるかとトグロ浜(9月にスピルラを見つけたところ)へ。入り江の奥の奥のため、予定通り?ここの打上げはどれもほとんど真っ白で、いつ上がったんだ?というものばかり。呆れて海草を蹴飛ばしたら、クチムラサキの幼貝らしきものを発見。しかしあまりの状態の悪さにさすがに拾う気になれず、パス。変な家族連れに変な顔をされたのを期に撤退する。16時。
 
 そろそろかな、と思ったが、日暮れも迫り引き上げる人々が多いため、もうちょっと時間つぶし(パイプ浜の下り口は人通りが結構あるので)。近くの貝だまりを蹴飛ばして、両端が肥厚したやけに丸っこいガスガスのサバを拾う。さらに探そうとしたら、いきなり頭上から低い歌声が。驚いて見上げると、岩の上で60がらみのおばさんがこっちを見ながら歌っている。コワかったので目を合わせずすぐに撤退。なんなんだ今日は。
 
 パイプ浜の下り口まで戻る。と、その付近で人の良さそうな父親が、遊ばせている子供の写真を撮っていたので、しばらく待つ。と、嬉しかったのか子供らは調子に乗ってまわりを跳ね回り、一向に立ち去る気配なし。いい加減待つのも飽きたので、見られてもいいやと下り口から崖に突入。時は16時半。あと30分の勝負か。
 
 夕闇迫る中、そして頭上から降ってくる、どこの誰だかわからぬ会話を耳にしつつ探索開始。まあ、岩の陰になっているので、こちらの姿が見えないから気楽である(知らずに石でも投げられたら怖いが…)。
 やはり時期ものか、ハナマル・ホシキヌタのまあまあなものが目に付く。この浜では珍しく状態のいいナシジを拾い、さらに目を周辺に走らせるとツグチを発見。うーむ、半年ぶりか。
 
 さらに探索を続けていると、真っ黒い腹がすぐ目に入る。こちらは1年ぶりのクチグロキヌタ(またボロだが)。はからずもサバ・ナシジ・クチグロと、自分で今年の生採集目標と心に決めている貝がそろった。最後に、ここでは今までの最大かつ質のいいナシジを一個追加して撤収した。
 
…崖をよじ登って道に戻ると、5歳くらいの女の子が目を丸くしていた。いきなり目の前にあらわれたからなあ。泣かれても困るので、よい子はまねしないでね、と目で語りかけて即座に立ち去る。やれやれ。
 
…本日の収穫。上段左からクチグロ・ナシジ(22mm)・ナシジ。下段サバダカラモドキ・ツグチ。
 サバはかなり丸っこくて一瞬ホンサバかとも思ったが(callous specimenというやつか)。それにしても、この間から考えているのだが、このサバモドキ(neglecta)は少なくとも当地で私が拾った物の中では、Dr.Lの言うような「歯の短い」のはまだない(内唇外唇側とも3分の2ほどはあるように思う)。

 まだサンプル数が少ないので結論は出せないが、歯の長さだけで見ると長短2型があるのではないか…?擦れ貝では判断がつきにくい部分も多いので、とりあえず当地産の生貝を見てみたいものである。