2005.7.28〜8.2 突然の南海X島修行編
…さる事情から突然決定した南海行き。島好きの私もまだ行ったことがない場所ゆえ、どこを狙うか全く困ったが、これもお宝探しの「修行」の一環と思い直し、熟考10分の末とりあえず次のように方針を決定した。
 
,△舛海粗阿のも大変そうだったので、宿の近くに絞る。
地図や現地での地形の印象から、自分の判断と運を信て場所を決める。
なるべく飲み過ぎない。
ぬ觜垢しをしない。
 
…こうして7月28日朝、この南海修行は密やかに始まったのであった。
 
 
…シロクマ岬。この熊はちょうどカメラのいるところに漂着していた。無人の岬ではあったが、岩場の穴に「○○中学上等」と青ペンキで字が。もう少し目立つとこでアピールせいよ。
 
…今回探索の鍵を握ったシロクマ君。詳細はexmouthさん
のHPをご参照下さい。
 
…初日ゲットのヤナギシボリ。生はなかなか縁のない貝だっ
たのでうれしい。黒の半透明のレースをまとっているようだ。
 
…1日目の成果。上段左からハナビラ(dwarf)×2・クチムラサキ・ヤクシマ、下段左からキイロ・ヤナギシボリ×2。クチムラサキはすぐ弱ってしまい、外套膜写真は果たせず。このほか、ナツメモドキも。
 
 
…2日目朝、迷い込んだC浜。期待を持たせる浜なのだが…右がウミヘビ昼寝岩。カニが大挙して集っている。
 
 
 
 
 
…2日目の収穫。上段生貝(コモン・キイロ)、下段打ち上げ左からイボ・ウキ・コゲチドリ・アミメ。このほかにヒメホシ・アヤメ・カモンも確認。なお、このC浜のキイロは普通っぽかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…ムラクモ生。最初はまあ普通だったが…。殻長98mm。
…何故か横倒しになりこの姿で30分。足の裏は白。確かにナマコを思わせる風情。
…脱出を図っておもむろに動き出す。とにかく腹足がでかい!
…ドヒャー!!!およそ宝貝に見えないこの奇態この勇姿。まさに怪獣の如し。あなたはこれをつかめますか??(笑)
…頭部のアップ。これだけ大きくても、やっぱり目は点目。
 
…口直しに?可愛らしく涼しげなシラタマ2態。砂地を好むとは聞いていたが。大きさ7.5mm。
 
…3日目収穫。上左からハナマル(歯間の黒くないタイプ)・ヤナギシボリ、中コモン×2、下左からキイロ(やせてフシダカ)・シラタマ。右ムラクモ。こうして並べると大きさの違いがよくわかる。
 
…4日目のウスムラサキダカラ。
浅場で見つかりそうだが。
 
X島1日目(2005・7・29)
「虹の足もとへ、そして偶然のお導き」
 
…朝一番で目的地X島へ。快晴で海も穏やか、さらに未知の島への初上陸とあって夕べから気持ちが高ぶってよく眠れなかった。何故か巨大なウミウサギをつかむ夢を見たが、これはどういうことなのか…。などと一人妄想を巡らしていると、突然前方の海上に虹が出現!くっきりと半円形に輝く足もとがちょうど宿の方向。朝虹は雨、という不吉な思いも忘れるほどの美しいお出迎えに、呆然と見つめるだけの私。
 
上陸後、宿に荷物を置いて早速偵察開始。まずは今朝目を付けていたA浜へ。折良く?引き潮、とりあえず様子見で鏡のようなラグーンに突入!原色の小魚たちが踊るなか、死珊瑚をめくり、生きた珊瑚の下ものぞき込む。…が、全くお宝の姿がなし。???と思いつつむなしい探索を続けること数刻、ここは駄目かとあきらめて撤退を決定。
…出鼻をくじかれた思いで浜辺で昼食を取りつつ、次の行動を考える。もう少し手前から深い、お宝の匂いのするポイントはないか、と打ち上げを見つつ浜を東へ移動する。ハナビラ・キイロの打ち上げを確認し、前方に岩の連なる小さな岬が見えたので、とりあえずそこに向かう。強烈な日差しに干からびそうになりながら到着して周りを見回すと、ちょうど漂着物ポイントだったようで、浮き球やペットボトル、海藻が大量に散乱して異臭も漂っている。先だっての台風5号の置き土産であろう。何となくそこここに目をやっていた私だったが、あるものに目が釘付けに…。
 
「おお!こ、これは…!」
 
…exmouthさんのHP、「磯顧事記」でおなじみの「コカコーラシロクマ」(バスケットバージョン!)ではないか!
 
ここはexmouthさんに敬意を表し、この場所を「シロクマ岬」と勝手に名付けて、探索を試みることにした。(この邂逅が、今回の探険行に大きな流れを生み出したことに、愚かな修行者は未だ気づいていなかったのである…。)
 
…さて、ここは如何にと探索開始。ところが、漂着物ポイントらしく、先だっての台風のためか海底の岩や珊瑚に泥がかぶった感じで、視界も悪くいささかゾッとしない光景。これは…と思いつつも50cmほどの転石を返すと、ヤクシマ1が転げ出る。生貝がいたか、と気を取り直してさらに沖目へ。潮もだいぶ満ちて来ており、2mほどの転石下でハナビラ・キイロが見つかる。それにしてもサイズが小さい。海水温の高さの故かと考えつつさらに沖目へ。死珊瑚が累々と折り重なる中に生きた珊瑚が点々と現れ出し始めたところで転石・珊瑚礫めくりを試みる。すぐにクチムラサキ(成貝は初)、さらにヤナギシボリ×2(初!)が登場。そして「おお!」と海中で一人盛り上がる私。その後潮もさらに満ちてきたので浅場に戻り、転石下でキイロとナツメモドキを見付けて撤収した。それにしてもこのポイントのキイロは幅が狭いし腹側もデコボコ…tuberculataというタイプか。まずは初日、手探り状態での探索行であったが、いろいろ発見や出会いのヨロコビがあった一日でありました。
 
 
X島2日目(2005・7・30)
「打ち上げ続々、ふくらむ期待…だが。」
 
…天気上等、完璧な青空。高気圧がいい仕事をしてくれる中、2日目は朝から宿にほど近いB浜へ、と思っていたら道を間違え、結局最後は崖下りの術を用いて浜へ(後でわかったのだが、その横30mのところにちゃんとした地道があった)。どうもここはB浜よりさらに西のC浜、見ると岬の先端近くで岩が多く、リーフ先端までの距離も短そう。ここら辺は「潮がかなり速い」という話も宿で聞いていたので、これはこれでいいか、と誰もいない浜に荷を置く。そそくさと準備しつつ周りに目をやると、打ち上げの中に擦れたコゲチドリ1、さらにイボ・ウキを発見。「打ち上げ場所必ずしも…」という格言はあるものの、いやが上にも期待は高まる
 
…さて入水。やはり手前から波がある。流されぬようつかまりつつ前進。すぐに岩の隙間で長細い殻を発見、拾ってみるとこれがアミメ。なかなかいいぞ、とうれしくなりさらに前進、生きた珊瑚に原色魚が群れ群れるエリアへ。波にもまれつつ水中の転石を返しているとハナマルがぞくぞくと顔を出す。ここはハナマルゾーンかと勝手に納得して、さらに沖目を目指す。どこかに掴まっていないと持って行かれるような波と潮に苦戦しつつ、リーフ先端にたどり着く。ここから先は10〜20m以上は落ち込んでいる様子。色とりどりの珊瑚に大型の原色魚が乱舞している。その美しさに目を奪われつつ探索続行。岩・珊瑚の隙間や下、穴を片っ端からのぞき込む。すぐに小さな岩穴でボロボロのイボ死殻を発見、いよいよ気合いを入れて…と思ったが後が続かない。珊瑚は思った以上に複雑に折り重なり、お宝は奥に潜っているのか杳として姿を見せず。巨大トラウツボと睨み合うこと数回、必死の探索を続けたが、波がいよいよ激しくなるようだったので安全を期して撤退を決め、浜へ戻る。
 
…少し休憩後、干上がっていた横の岩場を偵察。大きな割れ目で休憩中のウミヘビ2を発見したのみ。感心しつつ、さらに岬先端を狙って突入。潮が上げ始めたせいなのか、先ほど以上に波がきつい。ハナマル・ヤクシマの姿がちらほら見え、何故かアカイガレイシが多数。さらに沖目へと前進を試みたが、波に巻かれてホワイトアウト状態になること数度、落ち着いて探索できる状況ではないので仕方なく撤退し、比較用に超浅場でキイロを一つ入手して転進を決定する。うーん、残念。
 
…昼食後、シロクマ岬のさらに東を攻めることにし、強い日差しの元、久々に見る南国の蝶の種当てを楽しみつつ行軍。暑さは相当で飲んだビールがたちまち蒸発する感じ。だが都会の暑さとは違い、ずるずるネチャネチャ感がなく、私の汗腺も喜んで仕事に励んでいるようだった。
 
…歩くこと30分、目的地に到着。ここは完全な砂浜で遙か沖にリーフ先端を示す白波の列が立つのが見える。観光客の姿もちらほら。
 
さて入水、と思いきや予想通り相当な遠浅で、延々と沖まで行軍。腰当たりまで来たところでフィンを付け泳いで探索を始める。沖へ沖へと進みつつ、珊瑚礫をめくりまくる。ハズレること数十回の後、1m近くある巨大な死珊瑚を返すとようやくコモン1が転げ出る。生貝発見に気をよくしてさらに前進、生きた珊瑚地域に入ってきたが今度はめくるものがなぜかなくなり、珊瑚の下を覗いてみたが収穫なし。シャコ貝を冷やかした程度。いささかくたびれてきたのでリーフ先端は次回にすることにして撤収した。朝の期待感に反して結果は少々不完全燃焼の本日、ビール数杯で気分を新たに明日の計画を練る私でありました。
  
3日目(2005・7・31)
「再びシロクマ岬へ、そして…」
 
…明けて3日目。昨日の貧果を取り戻すべく、本日はシロクマ岬沖を朝から狙う。天気はいよいよ好天、海の中の様子もわかってきて、何かここならではの一発大物ゲットを!と心に期してポイントへ向かう。
さて入水。潮はかなり引いている。水深は1m内外であろうか、まっすぐに沖を目指して前進また前進。途中気になる珊瑚礫を返しつつ進む。生きた珊瑚が出だしたあたりで早速コモン2ヶを発見、よしよしと思いさらに前進。
 
…と、岸から100m以上はきただろうか、意外なことに水深は浅くなり、死珊瑚(枝系)が折り重なる状況に。迂回しながら進むも、いよいよ浅くなるばかり。めくったらイラモがどっさり、などといういやな雰囲気の中、ここにきてキイロやハナビラが再登場という事態に(ここのは特にサイズが小さかった)。おいおいと思いつつ、フィンをはずして沖へと歩き出す。死珊瑚の落とし穴にときおりはまりつつ進むと、今度は枝珊瑚が水面一面に広がるエリアに…しかし、みな死んでいる。浅場ゆえ温度に耐えられなかったのか?白化現象か?生き物の姿もほとんどない墓場地帯を、暗澹とした思いにかられつつさらに前進。しばらく進むとようやくリーフ先端の白波が近づき、ちらほらと生きた珊瑚も見え出す。ほっとした思いでフィンを付け、ハナマルを冷やかしつつ前へ。リーフ先端でも白波もそれほどではなく、潮の流れも穏やかで探索には絶好。見事な珊瑚が連なり、原色魚が乱舞する中、リーフの縁を中心に潜っては覗き、を開始する。…がなかなかお宝は姿を見せない。疲れも出だす。そんな中、何十回目かの潜水であろうか、とあるオーバーハングの下さらに奥、たくさんあった小穴を泳ぎながら流し見ていたところで、視野の隅をちらりと濃い褐色に黒い斑点が横切った。………??????………これは!………
一度浮上して高鳴る胸を押さえつつ、再び潜水。拳大の穴をのぞき込む。………………………………間違いない。
 
ムラクモダカラ!!!!!
 
一気にテンションアップし、つかみだそうと手を伸ばすが、敵もさるもの、穴の天井にしっかり張り付いていて離れない。相当な吸着力。ならばとこちらもピンセットでの引きはがし攻撃!その後何回息継ぎをしたであろうか。戦うこと数刻、ついにムラクモを穴から引き出すことに成功、右手に握りしめた。
現地ではさほど稀ではないのだろうが、南国ならではの日本最大種、生まれて初めての生貝ゲットについにやったと水中で狂喜する私。くすぶった思いが一気に晴れた瞬間でありました。
 
…その後、強欲モード発動でやや手前の珊瑚礫を激めくり、ヤナギシボリ1を追加。いささか疲れを感じ、時計をみると昼過ぎ。気がつけば3時間半の長丁場探索となっており、腹が減ったのとムラクモの外套膜写真を撮るべく上陸することにする。と岸に近づいたところで海水が湯気の出そうな風呂の湯状態であることに気がつく。…この岸辺の水では貝が弱ってしまうか…?あわててウエストバック内に残っていた海水(これは結構冷たかった)を容器にいれてムラクモを納めた。
 
…昼食をとった後、ムラクモを宿まで生かすべく沖よりの海水を汲むこともあり再出動。午前中よりやや右手のビーチよりの方角を目指す。こちらは途中歩くこともなくリーフ先端まで行けた。さっそくリーフで一探索試みるも不発。やや手前に戻りかけると先ほどと違って砂地が多い。ムラクモ用の水をペットボトルに汲んであたりを見回すと、何ボラであろうか、巨大な巻き貝が転がっている。冷やかしでからかった後、その横にあった20cmほどの穴だらけの珊瑚礫を何の気なしに持ち上げ裏返してみる。…と、小穴の奥に転げ落ちる明らかに見覚えのある小さな丸い姿が。!と思い、あわてて穴の反対側に手をやって受け止め、しげしげと見れば予感は的中、シラタマガイ生。小さい貝ではあったがこれも度付き眼鏡の余得か。とにもかくにも生初ゲット。しみじみとうれしさをかみしめる。ふと気付くと、波は静かでもそれなりに潮の流れはあるようで、大分ビーチよりに流されていた。じわじわとくる疲労感とムラクモ君の心配(およびビールへの欲求)もあり、岸へと引き返す。どたばたと着替えをし、大急ぎで宿へ戻り、あたふたと片付けとシャワーを済ませ、ビール。昨年末の黒生以来、気絶するほどの味を久々味わった夕暮れ時でありました。
 
4日目(2005・8・1)
「シロクマに呼び戻され…冷や汗。」
 
…明けて4日目最終日。天気はまたもや雲一つない快晴。台風9号が近づきつつあるようだがまだ大丈夫そう。今日は午後X島を出るため、時間限定での探索。昨夜は浮かれて方針を破り、やや飲み過ぎたため、体が重い。とりあえず2日目に行きそびれた宿最寄りのB浜を狙うことにし、出発。ところが道が途中で林の中で消えてしまっており、サンダル履きで藪こぎも嫌だったので、仕方なく戻ってC浜から磯伝いに目的地を目指す。台風の影響か、見れば白波は2日前より確実に高そう。とりあえず着替えて入水してみるが、予想通りの状態。何とかリーフ先端まで出て見るも、体が安定せず誠に探索しづらい。と、両手を離した一瞬、思わぬ大波が寄せてきてリーフ上を転げ回される(痛い痛い)。ホワイトアウト状態で視界もゼロ。これは無理と判断、すぐに撤退を決定した。
 
…期待のポイントに裏切られてハタと困ったが、海岸づたいにシロクマ岬に向かうことに決定。実は写真撮影のため初日にシロクマ君を宿に持ち帰っており、今日はB浜に置いていこうと思い、バッグに入れていた。やっぱりもとにあったところに戻せということか。何かシロクマに連れてこられた感じ。
…30分ほどでシロクマ岬に到着、元あった場所に安置して行動開始。今日は岬の左エリア沖を目指す。途中、生スイジガイを冷やかし、枝珊瑚の墓場を通り過ぎ、白波ゾーンへ。やはりこちらのほうが波は穏やかで、何とか探索は可能。潜水を繰り返しリーフの縁をのぞき込む。…が、今日は不発。もう一つ気持ちが乗らなかったのでやや手前で珊瑚礫めくりに挑むことにする。ハナマル連打の中、とある大きな礫を返すと、オレンジ色の宝貝が転げ出てどきっ!正体は擦れ擦れのカモン。ガクッとしてその横をみると細長いボロ貝が…拾い上げて背を見れば褪せた中にはっきりとした細い帯が数本。地味な貝ながらこれも現地ならではのウスムラサキダカラであった。これは…と思い、さらに礫を返そうとしたその時、左足先に違和感を感じた。フィンがはずれかけたか、と思い目をやると、固定のためのゴムベルトがぶっつり途中で切れてしまっている。フィンは足先突っかけサンダル状態で使用不能。潮も上げ始めており、浜まで結構な距離を行かねばならぬので即座に撤退を決定、片フィンでゆっくり戻る。上陸後、右足のフィンを調べてみたら、こちらも切れる寸前であった(こわっ。)。ちと早めであったが、無事に戻れた祝いにビールを飲ることにし、シロクマ君に別れを告げて宿への道を戻ったのでありました。
 
…今回は全く見知らぬ土地での突然単独行、何が飛び出してくるのか興味津々でしたが、結局はexmouthさんのHPをのぞいたことに端を発した不思議な導きに乗って(乗せられて?)の南国修行となりました(しかも採れたのは黒う○こですぜ、兄さん。)。ああ、また行きたい!(でも本当に生きた珊瑚礁は探索しずらいなあ…)