…高い岩場にバックを放り出し早速入水。波のないところでもやはり潮の流れを感じる。
今回は密かにツグチガイでないウサギも期待して進む(以前ツマ二ケボリを押さえたことがあるので、夢よもう一度…)。ただ潮が結構満ちているせいか、海底の景色も違う感じで、いつも最初にのぞくイソバナ群落の場所の見当がつかず、取りあえず前進、見付けたイソバナを見ていく。
しばらく進んだところで、一発強烈な流れにもっていかれそうになる。顔を上げてみると、もう沖向きの岩まで来ている。このラインは毎年良く見かけるツグチポイント。案の定、潮の流れで揺らぐ赤いイソバナに、今年もいましたツグチガイ。外套膜を引っ込めていたので危うくだまされるところだった。
お馴染みのトマトレッド。よしよし。
横についていたでかいウグイスガイはスルー。もちろんその下のウミシダも。ここで浮上して周りを見回すと、見覚えある岩が目に入ったのでそちらへと向かう。良く引いたときは穏やかで探索しやすいところなのだが、ちょうど沖からの潮がガンガン向かって来ているので白波が立って誠に見にくい。流されそうになったハコフグが慌てて目の前の岩の隙間に逃げ込もうとするが、流れに揉まれて右往左往。その姿につい笑ってしまう(こっちも状況は同じ、というかもっと不様かもなあ…)。さて、こちらも負けじと岩に掴まりイソバナの姿を探す。いつも通り、赤がたくさんの中に黄色が2つ。その隣にオレンジっぽいのが1つ。今年も健在の様子。
早速赤いのからじっくり見ていくが(波に揺られて見にくいなあ…)、ウサギの姿はなし。あきらめて黄色いのを見ると、すぐに根元に一つ付いているのを発見。明らかに殻が黄色っぽいタイプ。よしよし。ここのイソバナは赤色が大半なためか、トマト色以外のツグチは滅多に見ないのだ。浮上して波にもまれつつキープして、さらにもう一潜行。隣のオレンジのにも気になる姿がちらっと目に入ったので。案の定いた。ちょうど中間ぽい色のタイプ。ちょうど3色で比べたら面白そうだ。
その後一寸刻みでこの付近を見たが成果無し。気になったのはトサカ類がほとんど見あたらないこと。あってもうんとしょぼい感じ。どうしたのであろうか。ホシキヌタなど宝貝の姿も見えない。うーむ。
ここで、波に抵抗するのも少々疲れたので、やや浅い岸向きへ向かう。岩と岩の間の隙間に隠れてイソバナが生えているので、思い切り顔を突っ込まねばならない。ウツボよけのため一度棒を突っ込んで様子を見た後、そっとのぞき込む。ウツボとにらみ合い2回、タコとの遭遇1回。肝心のツグチは、最初いないかと思っていたが、子細に見ると何カ所かで幼貝が数多く付いているのがわかり、一安心する(無論スルー)。
一回り見終わったので、浅瀬で気まぐれに転石しながらのんびり浮かんでいると、風が強まって来たのか、結構波が立ち始め、ここにも潮が流れ込んできたのがわかる。ちょっと早いが揚がろうかなあ、と思いつつ未練がましく浅瀬のイソバナを探していると、岩の間にくっついた妙なお姿が目に飛び込む。
…おや。
もじゃもじゃの中に半分ツルリン。
ハツユキ。
ここでは、ホシキヌタとメダカラ以外生貝を見たことが無く、お宝方面は全く期待してなかったので、これは嬉しいボーナス。
ちょっと元気が出て周辺を探索続行。大きめの岩を裏返すとオミナエシ。んー、いることはいるんだ…。
その後しばらく探索したが収穫無し。顔を上げてみると、午後に入って風がさらに強まってきたようであり、ふくらはぎに不穏な兆候も…。
やめやめ、今日は揚がった方が良さそうだ。この時間なら上りの渋滞も大したことないし、明るい内に家でビールが飲める(ヘタレと声がかかりそうだが…)。ハツユキやツグチの外套膜も撮りたいし。
…てなことで撤収。短いけど面白い探索行でした。次回こそは違うウサギを見たいなあ。
…ちょっとロストレート気味の美麗ハツユキ。外套膜とは大違い。