2010.7.10〜12 南紀オフ貝2010
     〜梅雨空の妄想編
第2日目〜2010年7月11日(日)  「豪雨のち…。」
 前夜遅く、コモン・アヤメDNA近接論などをぼそぼそと話しながら、例によって冷房の効いた部屋で眠りについたあのお方と私(今回はツインが主だったので)。夜明け方、轟音で目覚める。窓の外を見ると雷鳴&豪雨。悪い予報が当たってしまったか…。何となく起き出して温泉につかりに行く。雨が強くても波や雷がなければ何とかなるかと思いつつ再びベッドへ。

7時ごろもそもそと起き出して朝食会場へ。窓の外はプールもあふれ出すほどの豪雨。ウエットで完全防備していたのに、首筋数カ所をイラモにやられたあのお方は、よほど悔しかったらしくぶつくさ言いつつ掻いている。私はといえば、転石中に「やられたな」と思った左手中指・薬指の甲側が少々キテいる感じだが、痒みはそれほどでもない。朝食後、一同集まってどうしたものか相談。雨は時折小降りになりつつもしつこく降り続けている。

 ホテル入り口で地元で採れた宝貝を展示しているのを冷やかしていると(ホンサバ・ニセサバ・サバがちゃんと正しく並べてあったのには一同感心)、くだまき会長が到着。ネットによるとまもなく雨も上がりそうだ、との情報。そして討議の結果、磯組・潜り組ともO海岸へむかうことに。

 「鹿の子は俺を待って隠れていたのだ」と豪語する雀さんとともに海岸シャワー前に車を止めたのは私のみ。なぜかあのお方は珍しく昨晩、疲れたとのたまっており、磯組に参加。また、あさきちさんは生樽呪性過転石腰痛のため、参加を見送られた模様。雨が断続的に降る中、勇躍イラモの楽園P浜への行軍を開始したのは2名。

 昨日のポイントに荷を降ろし、そそくさと着替えて入水。昨日の具合からしてカノコはダメそうだ、と思いつつ一縷の望みを抱いてイラモが着いた岩をめくり続ける。が、早々甘くはない。馴染みのメンバーが顔を出すのみ。ホシキヌタの抱卵個体を見付けるが当然スルー。
…干潮も近くなり、沖の根を探るため前進。昨日見ていない根回りに繁茂するトサカを見ていく。が、ウサギは見付からず。いい加減あきらめかけたところ、かき分けたトサカの陰に大型のアヤメ。お呪いとして袋に納め、さらに探索続行。ようやく、かなり流れの速い一角のトゲトサカに大粒のピンク斑の外套膜を発見!流れがきつくて写真は無理そうだったのでつまみ上げる。セロガタケボリ。紅色が濃くかなりの大型老成個体。これまた巡り合わせが良くなかった貝なので嬉しい一ヶ。
 
 さらに戻りながら大きな岩の表面にあったウミキノコにマメウサギが着いているのを見かけ、近寄ってみると若貝。スルー。
 
 その後ちょっと体が冷えてきたので浜よりの浅場を探索し(レギュラー陣がぼちぼち)、取りあえず一度あがる。天気はいつの間にか回復し、薄日も射してきている。荷物置き場に着くと見慣れた荷物が、そして海面にはこれまた見慣れたシュノーケルが(ノリのチューブだかを先端にくっつけて延長しているので)…。ほどなくあのお方が海から上がってくる。磯に見切りをつけ、こちらへ転進してきたらしい。さすがに昨日攻めたところなのできびしいなあと話。雀さんもやはり鹿の子は待ってくれていなかった模様で、チャミスジなど幾つかを得たのみ。
 
 時間は11時過ぎ。もう一本いきますか、と3人は再び入水。ここであのお方と私はさらに遠くに突き出した岩付近を探索しようと、浜を行軍する。潜ったことのない未知のエリア、期待と不安が高まる中、前進。
 
…目指していた岩付近に到着、高見に上ってその先を偵察しようとした私の目に飛び込んできたのは……………どこかで見た防波堤。何のことはない、Bポイントのはずれに到達していたのだ。昨日「あの岩を越えるとBポイントだ」と主張して否定され、距離感がないなどと酷評されたあのお方は「やっぱり〜」と一瞬喜んだものの、すぐにある事実に気がついてテンションを下げる。
 
 
「全然未知のポイントじゃない…。」
 
 
それでも今回Bポイントは見ていなかったので気を取り直して探索開始。潮通しが格段に良さそうな感じで、すぐ近くからトサカが繁茂している。1個目のトサカを見るなりすぐウサギ発見。小ぶりなコダマケボリ!
 
 こいつは幸先が良い、と張りきって探索を始めるが、後はさっぱり。イラモが少ないので転石もかなりやってみたが、不発。うーむ…。
 
 結局、この辺ではあまり見ないキイロ(オーバーキャスト)を見付けて撤収。あのお方もお宝兎方面は不発だったようで、ホソテンロクなどをゲットしたくらいか。
 
 
 
 正午を大分回っていたので、ここで最初のポイントへ。帰還中、あのお方は陸貝の餌用にコウイカの甲をせっせと拾い、私はカバホシのガスを一つ拾い上げる。戻ってみるとしぶとく鹿の子を探していた雀さんも厳しかった模様。やはり去年は一瞬の祭りに過ぎなかったのか…昨年ぞくぞくとあらわれて男たちを魅了した鹿の子は、今年は脳内妄想鹿の子で終わったのである。
 
 さて車へ戻るための身支度をしていると、あのお方の苦悶する声。何やら首回りを押さえている。何でも昨日の侵入に懲り、イラモの刺胞を完全シャットアウトすることを目論んだあのお方は、布ガムテープを巻いて隙間をふさぐという暴挙に(笑)。その結果、首回りに巻いたガムテープが動き回ったために締まり、端もピッタリ固着して自分では取れないという結末に…。見かねて手伝うと、はがれた首筋にくっきり食い込んだ跡(よい子はまねしないようにしましょう)。呆れる私に、あのお方はあくまで「手首は良い感じでしたよ」と力説するのであった。うーむ…。
 
 シャワー場まで戻り、着替え終えると、今年もまた新伝説を作られたあのお方も帰宅。磯組も早々に帰宅の途についたようだ。残された雀さんと私は、あのレストランをやめてあのお方推薦の回転鮨屋に移動した。
 
 遅い昼食を終えたのは3時過ぎ、一旦宿に荷物を置いて久しぶりのYポイントへ。雲行きは再び怪しく、今にも降り出しそうな空模様。雀さんは捕虫網を握っている。貝がダメなら蝶があるさという多角的戦略(笑)。数年前は鹿の子がたくさん拾えたこの場所だったが、今回は貝溜まりこそあるも、お宝的には不発か。雨が降り出すといやだったので、メルワード化鹿の子やらマメウサギやら幾つか拾って退散する。
 
 宿へ戻り、夕食は近くの台湾料理屋へ。最初に注文したのに最後にあらわれたつまみの小籠包を前に、貝から歴史・政治・海外の妖しい話などを展開しつつ、参議院選挙開票の夜は更けていったのでありました。
 
                  (つづく)
 
…Pポイント2日目海中。雨のせいか透明度はもう一つ。
 
…マンジュウヒトデ。20cm近くはあった。
 
…Pポイントで採集した大型セロ。14mm。
 
…一発目のトサカに隠れるコダマケボリ。ツマニやテンロクは見かけなかった。
 
…Pポイント2日目収穫。上段キイロ・アヤメ、下段カバホシ・セロガタケボリ・コダマケボリ
 
…Yポイント。泣き出しそうな空。誰もいない海。
 
…Yポイントにて打ち上げ。上段スソムラサキ・マメウサギ・ツマムラサキメ。
下段クロ×2・ウキ・カノコ。