2011.3.31〜4.2 南国修行春の陣〜その3
3日目:2011. 4.  2(土) 「こんなところで強欲モード!?」
…沖縄夜貝の帰り道の車中、翌日の予定を迷っていた私。X兄は早朝から例の場所へ赴くとのこと。崖下り好きには見逃せぬ(笑)ポイントを見学してみたい所だったし、2日間攻めたポイントも気になるし…またしゅりさんが話してくれた3年前スソヨツメポイントや濁りありポイントも心引かれるものがあったし…地図を見ていても覗いて見たいところが多くて困った。肩痛封じに買ったバ○○○ンを貼りつつ、結局結論を出さないままに眠ってしまったのであった。

 5時半ごろに目が覚める。今日も晴れ。海況は東よりからの風がやや入り波はうねり入り1〜2m、というところ。今日は夜便で帰るため一日勝負出来るのだが、宿舎は朝のうちに引き払わねばならぬ。朝は満潮であるし、道路が込まぬうちに一気に北上してX兄のポイントを表敬訪問し、その後は近くの浜で遊ぶ、という方針を立て、そそくさと荷物をまとめて車を出す。

 早朝のため、高速や国道を快走。ナビの予想よりやや早く、8時ごろに駐車場に滑り込む。前夜聞いていた場所に特徴的なナンバーのX兄の車が………………ない。

 さすがに観光ポイントだけのことはあり、朝から家族連れやカップルもちらほらする岬先端に立ち、このあたりかと目をこらす。崖下で白波はザッパンと砕けていたが、南紀でおなじみのあのお方に言わせれば多分凪、という位の所か。X兄はまだ現れていないのか、どちらかへ転戦されたのか?わからぬままにしばらくあたりをうろつき回り、海神様に一礼して近くのD浜へ向かうことにする。
…X兄お得意のH岬。確かに降りられそうではあったが…。重装備をつけてとなると…。
 
…大分潮の引いたD浜。サーファーに代わり、潜り人の姿も。
 
…D浜打ち上げ宝。ヒメホシ・クロ・サバ・マメシボリ。下段ツマムラサキメ・サバ・ニセサバ。このほかにアヤメも。
 
…何と、憧れの貝に遭遇!17.4mmの大型サイズ。この浜にもいましたね。X兄、夜明けのダイブでエッジの割れ目あたり、いかがですか〜?
 
…D浜生貝。ハナマル・キイロ・そしてハチジョウ。
 
…D浜で後学のため拾った貝たち。上段ニシキノキバフデ・ヒナヅル・クリイロフデ。下段ハタガイ・ハナワイモ・キイロイガレイシ・ハギノツユ・テマリダマ…かな。
 
…P岬にて。アミメ・カモン・ヒメホシ。
 
…左からイボカバイモ?・ハイイロミナシ?・イトマキボラ。もしおわかりの方はお教えいただければ幸いです。
 
 D浜に到着すると、サーファーらしき人の姿がちらほら。しゅりさん曰く「タヒチみたいに転石のないところだよ〜」だそうだが、潮が満ちている状態ではよくわからぬ。ただエッジまでの距離は短めで、X兄の話通り、クレバスが入り込んでいる様子はうかがえた。打ち上げを見たりしばらく時間をつぶし、目がなさそうなら他の場所へ転戦しようと心に決めて浜をうろつく。砂浜にはろくな打ち上げがなかったので、岩場へ。
 
 
 砕けた貝が多い中、ハナマルが目立つ。幼貝の殻もちらほら。そしてマメシボリやヒメホシ、サバ・ニセサバのガスも。ざっと見ただけなのだが、意外にバラエティに富んだ打ち上げが見つかる。ふーむ。
 
(多分X兄はこのころ駐車場に到着されていたらしい。思いの外早く着いてしまったためのすれ違いであった)
 
…しばらくめぼしいところを探索し終えた私は、大きな岩の下の貝だまりに目をつけた。
「ここを探したら、他へ転戦しよう」と思いつつ、手で積もった貝を軽くどけた瞬間であった。
半分に割れた丸い殻に目が釘付けに。
 
 
おお!!これは…!
 
 
…思わず声が出た。
 
 
 
しかも、でかい…。完全であったなら…惜しい。
 
 
 
…とはいえ、お初拾い。
 
 
 
フイリチドリダカラ!!
 
 
 
 しかし、かなりの大きさ。このまま捨て置くわけには行かぬ。半割れではあるが、強欲モード発動!
 
 
 本格的に探索すべく、車にとって返し、杓文字や手袋を手に再び貝だまりに向かう。念のため、転石を返して細かく探索続行。が、ツマムラサキメのFDを一つ見つけた他は、あとが続かず。後学のためにいくつか目についた貝を袋に収める。
 
 
 時間は10時近く。沖目に目をやると大分潮が引いて礁原が露出しはじめている。ここまでくればエッジ近くも気になるし、しゅりさん曰く、「ハチジョウなら100%」という言葉も確かめておきたい。
 
…ということで潮が急速に引いていく礁原を探索開始。確かに転石はほとんどない。それでもクレバス近くまで進むと、岩の割れ目に死珊瑚が折り重なっている場所も。のぞき込むとハナマルがちらちら見える。結構な生息密度。違うお宝はないかと鵜の目鷹の目で見回ったが、これは不発。
 
 隠れる気のないキイロを冷やかしつつ、手前に戻る。今度は礁原に点在する大きな岩の下をねらう。天気は快晴、日差しが結構きつい感じになってくる。
 
 後学のため目についたヤドカリ入りの貝を拾いつつ、探索続行。程なく、岩陰奥に悠然と鎮座する大きな姿を発見。やはりここか。
 
 
ハチジョウダカラ!
 
 
…確認できたことに満足し、戻りながらこの先を考える。時刻は11時近く。昼を購入してどこか気になる場所をもう少し探索してみよう。
 
 車を出し、とりあえず南下。右に広がる海岸線には何をねらってかあちこちに人の姿が見られる。
先ほどのような潮のきつそうなポイントに気を引かれていた私は、岬の先端部分にあたるPポイントに目をつけてナビをセットし、
 
 岬についたのは1時過ぎ。右は外海の潮が直接ぶつかりかなり荒々しく、左は内海で波静かな感じ。かなりの人が礁原に散らばり、手前の大きな潮だまりにはシュノーケリングを楽しむ家族連れも。
 
 
 おにぎりをそそくさと食したのち出動。もう干潮は過ぎているはずで、エッジ付近を見るなら急がねばならない。右の外海側へ直行。
 
 先ほどの岬同様、エッジ近くには転石はほとんどない。ウニ穴におびただしいハナマルが潜んでいるのが見て取れる。ハナマルに同居してなにか違うお宝がいないか、少し丁寧に探索していく。ピカピカの大型カモンFDとヒメホシ生1を続けてゲット。
 
 さらに先を見やると、大きな岩がエッジ近くに点在している。何やらお宝の匂いを感じて急行。のぞき込んだ先に見えた姿は…キッコウにあらずヤクシマ(残念)。
 
…と、ここで潮が急速に上がりはじめ、探索が困難になり始めてきたので浜へ戻る。いつの間にか人の姿もほとんどなくなっており、外海から内海側へ川のような流れが…。戻りつつ、気を引かれた貝だまりを覗き、ヤナギシボリやアミメ、サバを確認、海中探索も面白かろうと思ったポイントであった。その後、潮はいよいよ急速に上昇、最後は川のような流れの中を泳いで駐車場までたどり着いた。
 
 着替えを終えるともう5時近く。車を返す時間も迫ってきたので一目散に南下。途中IC入り口でのチケット受け取り渋滞に遭遇した他は(カード会社の陰謀を疑い、私はETCカードを持っていないので)、予定通り車を返し、それほど格別ではない沖縄そばをかき込んで、夜便で脱出したのであった。
 
 急に思い立ったため、2泊3日と短い修行旅であったが、花粉症から解放され、楽しい出会いもあり、沖縄夜貝にも参加でき、再訪が楽しみなリサーチ旅となった。お世話いただいたしゅりさん・X兄さん、本当にありがとうございました。
 
                      (おわり)