2011.7.26〜31 南国X島夏修業察舛修裡
1日目:7月26日(火)  「J島にて」 
 26日早朝、日本列島を席巻する積乱雲を突き抜ける度に機体が大揺れする中、静かに落語「手水廻し」に耳を傾ける男の姿があった。先日の南紀オフ貝で思わぬ不漁に見舞われた男の心中は、リベンジを誓う炎の思いと、欲張ってもどのみちロクな事がねえよなあ、という達観があい混ざった複雑なものであったのである…。

 さて7回目となった恒例の夏修行、X島を変えるかどうかここ数年迷う部分があったが、今回は探ってみたい未知のポイントが数点出てきたため、早くから行動は自分の中で決まっていた。早々に日程を決め、飛行機を押さえた。

 本土では本当は梅雨明けしてないだろう、と言いたくなるような不安定な天気が続く中、予報を見るとX島近辺はおおむね天気は良さそう。しかし、気になるのはフィリピンあたりにいるナルトNo.8。こいつのためうねりがあり波高2〜3mとのこと。まあ裏側なら何とかなるのでは、と腹をくくる。


  出発が早かったので早々にJ島到着。今回はこのままX島へは向かわず、J島でリサーチしたいポイントがあったので、レンタカーを借り探索に向かう。昼前干潮の長潮、ただしレンタカー屋で意外に手続きが手間取ったり、途中の最大価値のスーパーでもろもろ買い込んだため、ポイントへ到着したのは11時過ぎ。それにしてもここにしては珍しく?猛暑。車を降りた途端、眼鏡も曇る熱気。
施設の整備工事かなにかの人々も、木陰でぐったり休息をとっている。
…Q岬近く。もっと右手は家族連れがウロウロ。
 
…Q岬近くのN浜海中。このあたりはコモンの巣。
 
…夕闇迫るM海岸。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…礫裏にヤクシマペア。
 
…魚を撮影することは少ないのだが、こんなに近くで見たことがなかったので。モンダルマガレイの隠遁の術。
 
…宿近くのC浜にて。上段クロダカラ・アラヌノメガイ・ヤナギシボリ(FD)
下段ミナミアジロイモ?・シロマダライモ。
 
…一瞬ホンサバかと緊張が走ったが、サバでした。
 
…一年ぶりのリュウキュウ若貝。ほぼ昨年と同じ地点にて。
 
…近くでもう一つ。ややアダルト。突起も紅色になりつつある。
 
…さて、訪れし最初のポイントはQ岬。見るからにすぐにドン深い感じ。ダイビングのボートが何隻も至近にもやっている。ちょうど潮が引いていたので少々転石の具合も見るが、波に洗われるせいか、めくれるモノがほとんどない。さらに一応は観光ポイントではあるため、上からも家族連れやらがワーキャー。そんな監視の中、探索したり潜るのはいやだなあと思い、きびすを返す。もっと空いている時にのぞいて見よう。
 
 ということで車に飛び乗り、すぐ付近の浜でイケそうな所に移動。見た目やや内湾チックな感じだが、エッジが近そうなLポイントへ。
 
 そそくさと着替えつつ沖を見やると、やはり台風のうねりの影響か、エッジ付近は結構な白波。ただ、見た目かなり転石が豊富そうなので、手前からガンガンめくってみる所存。ふと見た足元にはガスだがイボ。結構面白そうな感じ。
 
 さて入水。好天が続いたためか、濁りは少ない感じ。底質が砂というよりやや泥が混じっているので、まずはナツメモドキだろうなあ、と思っていると案の定転石3つ目で登場。沖へ向かいながらめくり続けると、モドキまたモドキ。H島でも見られるパラオタイプ?の白腹小型のやつ。キイロ・ハナビラもまた少々。おなじみの光景に頷きつつ、岩をめくって転げ出たナガアジロイモをお呪いとしてキープし、さらに岬状になった部分の沖へ。
 
 するとにわかに海中風景が変わり、生きたサンゴが出だす、ちょうどX島コモン岬のような感じに。そこはかとなくいい感触に、「スソヨツメあたり一発…」という妄想を働かせつつ転石に力が入る。
すぐにコモン。そしてまたコモン。やはりねえ…。
 
 思いの外転石も多かったので結構な時間の探索となったが、結局レギュラー以外は現れず。小ちゃいものクラブにイケそうなモドキを見つけてキープしたくらいであった。うーむ、不漁の波はまだ続いているのか?まあ、過去南国修行では尻上がりになっていく事も多かったので、こんな所かもしれぬ。ただ、このポイントはもう少し探る価値はありそうだな、と感じた。
 
 なぜか忽然と浜に現れたカップルに辟易しつつ、車に戻って着替え。大分潮はあげてきており、夕刻には満潮を迎えるので、あとは何カ所か気になっていた浜をチェックして回る。最後に打ち上げを見たM浜が、最初ツノガイや二枚貝が多く「完全に遠浅砂浜系なんだろうな」と思っていたのに、キイロやハナビラが全く見あたらないかわりに、ツマムラサキメ・ツマべニが拾えたのが興味深かった。見た目と海中では様子が異なるのかもしれない。
 
 町へ戻り、夜は居酒屋と化すいつものそば屋で、生をやっつけつつ主人おすすめのサメ料理やらっきょうを食らう。最後はそばでシメるという、こちらは申し分ない展開に、明日への光明を感じる私でありました。
 
 
 
 
 
 
2日目:7月27日(水)
     
          「X島で二番勝負」
 
 
…早朝、天気予報を見ると波は2〜3m。ナルトNo.8は西へ向かう模様。ただし波浪注意報が出てしまっている。うーむ。まあ、それでも行ってみるしかない。さっさと荷物をまとめて港からX島へ。空はほとんど雲のない好天。相当暑くなりそう。
 
 X島ではレンタカー屋もスムース。スーパーで食料やら水分を買い込み、まずは恒例宿近くのC浜へ。潮が速い浜ゆえに、エッジは結構な波。好天が続いた事もあってか、打ち上げはロクなものはなし。
 
 とっとと着替えて入水。波でかなり揺さぶられる。
大きい珊瑚礫に絞って返していくと3つ目でヤクシマ。念のため子細に見るがやはりヤクシマ。あとはハナマルがちらちら。昨年よりは少ない感じ。まっぷたつに割れている貝もちょこちょこ見えるので、昨年よりはカニが多いのか。綺麗なアヤメも見たがこれまたまっぷたつ。
 
 1時間ほど探索したが、どうも今年ももう一つ、と感じ、潮も大きく引いて探索しづらくなったのを潮に足ヒレを脱いで上での転石に切り替える。
 
 大きめの礫を見ていくと数個目のメーター級のやつの裏の端っこに、三浦ではおなじみの小さなお姿。
 
 
 
 
 
…クロ!
 
 
 
 
 
 冬の漁火ではここ数年よく見られるが、ここ南国では初めて。違う色のお宝を見つけ、やや溜飲を下ろす。
 
 その後はいつものメンバーのみ。転石下から転げ出た細長いイモガイ(シロマダライモと後に判明)ほか後学のために目についた貝をいくつか持って行くことにする。まあ、欲張ってもここでは仕方があるまい。時は昼、まだまだ満潮までは時間がある。いい加減波で揺さぶられるのもかったるかったので、波のない静かな場所へ行くことにしよう。
 
…というわけで、車にすかさず戻り、着替えをせずにそのまま移動。荒れ気味だった昨年も攻めやすかった静かなH浜へ向かう。リュウキュウやホシ、ここでおなじみのハチジョウとも再会できたら…の思い。
 
 一年ぶりのH浜はエッジ付近は白波立っているものの、手前は全く静穏。ウミショウブの森を抜け、去年山立てをした記憶をたどりつつ、リュウキュウの生息エリアへ。手頃なサンゴ礫を返していくとまずは大ぶりのサバが転げ出る。よしよし。
 
…さらに前進。幾ばくもなく、礫下からリュウキュウらしき姿。しかし、この地域特有の突起の紅色がない。?と思ったが、つついてみて疑問は氷解。まだ縞模様の残る若貝であった。とりあえず再会に満足し、リリース。さらに探索すると礫下でもう一つ。先ほどよりはアダルトではあったがやはり若い。写真だけ撮影して元へ戻す。ホシダカラも結構見たエリアであったが、出ず。ついでに浜よりでヒメホシが多かった場所も見たが全く姿は見えず、ケもなし。よくあることではあるが、あな不思議ではある。コモンやキイロは相変わらず濃かったが…。
 
…ふと気がつけばもう4時過ぎ。かなり潮も満ちてきている。昨日に比べれば、出会いは明らかに上げ潮ムードな感じではある。八丈敷探訪は後日にまわし、あとは宿で冷え生をやっつけるべく、そそくさと着替えを急いだ私でありました。
 
                       (つづく)