さっさと着替えて入水。波打ち際で水にさわるとことのほか冷たさを感じる。やはり寒波の影響か。もたもたしても仕方がないのでエイヤ!と入水。少し沖へ向かうとやや温かい感じとなり、これなら何とかいけそうだ。お約束の?少ない珊瑚礫をねらって探索開始。
4つめだったか、まずはホシキヌタが転げ出す。お宝の姿をすぐ確認できて安堵する。続いてアマモ帯に入り、大きな礫の下から若いホシ。さらにベルコイ風の模様となった成貝も。その後もホシがポツポツと続く。
さらに沖目へ。礫を丁寧にめくっていくとリュウキュウが登場。春修行ではスカされてしまい、今回の目標の一つだったので来た甲斐はあったと安堵する。さらに周辺で10個体近くを確認できた。X島とは違い、突起は白褐色でサイズも大きめである。
その後、さらに沖へ向かおうとするも、吹き付ける風が半端なく強くなり、それによる波立ちも強くなり、波酔いでの気色悪さが満点になってきたため、撤収を決定。上がった途端の北風に吹かれる寒さは南国とは思えぬ厳しさであった。
夕刻宿へ到着、風呂で体を温め、あまりの空腹に久方ぶりのハンバーガーをむさぼり、漁火の準備をしつつ、しゅりさんからの連絡を待つ。
20時前にしゅりさんから連絡が入り、宿舎前に出るとすでに今宵参加の方々が。Nさん夫妻・はらはちさん、そしてしゅりさんである。早速Nさんの案内で某居酒屋へ。といっても、これからのことがあるので酒抜きの乾杯であるが…。
「今日泳いでいたのはこの島で一人だけ」としゅりさんに冷やかされつつ、鮨・焼きおにぎり&チャンプル系という組み合わせの夕食の後、一行は干潮までの時間、テンションを上げるため(しゅりさん談)、Nさん宅へ転がり込む。ここでNさん秘蔵の貝コレで案の定テンションが上がった一行は、過去に幾多の実績があるというEポイントへ。お宝方面でもアジロが出たこともあるという有力ポイントで、まだ見ぬ探索場所にあれこれと妄想だけがふくらむ。
…が、何の呪いか、ここから次々と試練が降りかかることを、浮かれていた私は予想もしていなかったのである。
まずはしゅりさんの車に同乗した直後。ふとポケットをあさるとレンタカーのキーがない。あたふたして探索したあげく、しゅりさんの冷静な指摘により車の助手席下から発見。やれやれ。
探索場所最寄りの駐車スペースに到着し、一同準備を整えていた時、今度はヘッドランプのゴムがいきなりブッツリ!やむを得ず腕に巻いて使う羽目に。
どうも幸先が良くないなあ、と不安を抱きつつ浜に出る。砂泥チックなところに珊瑚礫がポツポツ、といった状況で、一行は早速探索開始。
ナツメモドキの小さいのを見つけたくらいでどうも当たりの悪い私はさらに沖目に。Nさんにアマモ帯や礫の多いところを示していただきつつ探索続行。小さめのコモン2を発見。このあたりから沖から吹き込む風が強まり始め、眼鏡がずれたりカッパのフードが邪魔したりと集中力を妨げる。
そんなことをしているうちに一陣の突風!
元からやや緩目だった眼鏡が吹っ飛んで闇の彼方へ…。飛んでいったとおぼしき方向を探すも見つからず。うーむ…全く…。
まあ、漁火向けに予備の眼鏡と替えていたし、目を近づければ探索はできるので諦めて探索続行。何とか礫下からカモン1を追加した。
時間も2時を回り、潮も大分満ち始めて来たので一同撤収。Nさんにカモンとリュウキュウイトカケをおまけでいただいたが、所変わればの探索の難しさを痛感した上、なぜか己に降りかかる暗雲に明日からの不安を抱いた夜でありました。
(つづく)