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2011.12.24〜27 南国修業冬の陣2011〜その3
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3日目:12月26日(月)  「初見の浜で深夜勝負。」
 昼夜兼業でさすがにくたびれた三日目。目を覚まして窓の外を見ると雨。天気予報によると天気は回復し、気温も昨日より+2℃ではあるが、北からの風が強いとのこと。となると潜水探索は厳しそうだなあ…。となれば昼はリサーチ、夜勝負か?昨日同様良さそうなところがあったら入水しても良いが…。その前に昨夜失ったピンセットを何とかせねばなるまい。
 
 まずは昨日見かけた近所のホームセンターへ。幸いなことに大型のピンセットや落下防止のコードもおいてあり、早速購入。やれやれ。出費がかさむなあ。
 
 まずはTポイントへ。ここはNさんのお話では数々の実績はあるものの、最近周辺でしきりに工事が行われており、今年は土の流入があって厳しかった、とのこと。ちょうど昼の干潮も近くだったので、礫を少々見たくらいで退散。
 
 続いて打ち上げで知られるYポイントへ。とはいえ遠目で見ても観光客がうろついており、見込みは薄そうだが、まあいいや。車をおいて浜へ。それにしても風が強い。打ち上げラインを見ていくとツマムラサキメ・ロウソクイモのややましなのが少々。強風のためか高いラインにカツオノエボシがそこここにうち上がっている。よくわからぬ外人カップルの女性のほうが、裸足で散歩しているが大丈夫なのだろうか??? 一通り見た後で、横の工事中のエリアに闖入してみる(お休みだったらしく誰もいなかったので…すみません)。良さそうな貝溜まりがあったので引っかき回したが特にお宝はなし。怒られないうちに退散することとする。何もないのも悔しいので、去り際によくわからぬフデガイ系を追加。
 
Yポイント。カツオノエボシ打ち上げ。踏むとプチプチをつぶすような快感はあるのだが。知らずに触れて救急車、という騒ぎもあった模様。
 
…3日目リサーチした浜での収穫。スソヨツメとツマムラサキメ。
 
Uポイント漁火にて、ベニヤカタ。生きたのは初めて見た。
 
…ハナビラばかりの岩。
 
…ハナマルもとにかく濃い。
 
漁火でのお持ち帰り。カミスジ・サメ。
 
 
最終日Bポイント。サンゴよりゴロタ多し。
 
…Fポイント。疑惑の貝だまりは画像右。
 
…左四つがFポイントのサンドポンプ疑惑宝。クロシオ・ホンサバ・ヒナメ・アジロ。右はU海岸ヒロクチ。
 
…後学のため持ち帰ったもの。上段ロウソクイモ・アカマツムシ?
ベニマキガイ?リュウキュウイトカケ(Nさんありがとうございました)。下段ベニヤカタ・何とかヤタテ?イトカケツクシ?
 
 さらに今度は南へ下ってみる。前回も含め、まだリサーチしたことがないエリア。車をおいて浜に降りるとここも人が多い。リーフ先端までの距離はそれほどなさそうか。状況が良ければ潜ってみたかったが、風・波ともに強く、体調は悪く果たせず。
 
 最後にそこよりやや北側の浜へ。波打ち際で
まあまあましなスソヨツメを拾う。うーむ、このエリアも潜ってみたいなあ…。
 
 …と、ここまで来て睡魔全開になってきたので、まだ日没まで時間はあるが宿舎へ撤収。夜勝負のことを考えたら、休むが吉。ベッドに倒れ込んで眠りに落ちる……。
 
 ふと目が覚めるともう夜。夕飯をどうしようかとぼーっと考えているとNさんからの電話。今晩我が家で貝話や丘採集はいかがか、とのうれしいお誘い。丁寧なナビやお迎えにより恙なくNさん宅へ。
 
 奥様とともに貝だけにとどまらず様々なお話で盛りあがり、様々な収穫物も頂いてお宅を後にしたのは23時過ぎか(本当にありがとうございました)。Nさんに推薦していただいたUポイントを攻めるべく車を走らせる。
 
 到着してさっさと準備し、浜へ。見渡すと砂浜に突き出した岬が岩礁帯を作っている。昼に来たこともない全くの初見の浜なのであまり無理はできまい。潮が満ちてきたら早めに撤退する所存。
 
 すぐ潮だまりにベニヤカタガイを発見。集めている訳ではないが好きな貝だ。さらに近くの岩穴にハナビラ・ハナマル・ナツメモドキが続々。雰囲気は神奈川K海岸の漁火の感じだなあ、と思いつつ沖目へ。そこはハナビラ・ハナマルの巣という感。さらに岩陰にはヤクシマがちらほら。
 
 何かほかの色のお宝はないか、ときょろきょろしていると、若いシボリ。イボイボが発達していたらなあ、と思いつつスルー。さらに黒々とした外套膜の小さいお宝が登場したのでつついてみるとカミスジ。いわゆるチャミスジではなく正調カミスジ。納得しつつキープしておく。さらに小穴にサメ。小さいがミナミサメ風ではなく黒い個体。ふーむ…。
 
 ふと時計を見ると2時半すぎ。そろそろ上げが始まる時間帯。岩と岩の間がそこそこ水深のある感じだったので、下手に引っ張ると4月の時のように泳ぐ羽目になるやもしれぬ。ということで撤退。大物は出なかったが、何ともお宝の臭いの濃い場所で、一度潜水してみたい所である。明日明るいときにもう一度来てみることにしよう。
 
 車へ戻り着替えた後、3時半過ぎに宿へ戻る。フロントの若い係の男はやや胡散臭そうに目を向けたが、門限なしをうたっているのはそっちだろ、と目で答えて応戦。部屋に戻り本日も東奔西走して疲れ切った男は、本日も一杯引っかけて直ちに白河夜舟となったのでありました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
4日目:12月27日(火) 
 
 「SP疑惑?」
 
…明けて最終日。天気は回復し、風も弱まって波は2mほどの予報。気温もやや上昇しているようである。本日は夕刻にレンタカーを返す都合があるので、潜るならばどこかで一本であろうが、どうも朝から鼻づまりがひどく、水中で呼吸がしんどくなりそうな気配。まあ昨夜のポイントで良さげなら行ってみよう、と思い、荷物をまとめて宿舎を引き払う。
 
 まず向かったのはX兄のHPでも時折名前を見るBポイント。そこそこリーフがあるようだが、到着してみるとちょうど満潮時で風もあり波がかなり。やはり風表はだめか。浜を少々歩いて撤退。
 
 続いて今度は地図を見て気になっていたFポイントへ。打ち上げに実績のあるところらしかったので潮の上がったこの時間帯はどうか、と考えて転戦。ちょうど昼時に到着、工事が行われた旨の看板を見つつ浜へ。かなり大規模に養浜や港の整備を行ったらしい。…ということは??しゅりさん・Nさん・Aさんの言葉が脳裏によみがえる。
 
 疑問を抱きつつ浜へ。すぐに真っ白系の貝だまりを発見。見るとツマムラサキメ、エ、サバ、そしてホンサバ。さらにアジロ・マメシボリ・アジロ×2・口だけクロシオ・ヒナメ・アジロ×2と続いた。どれもこれも白く擦れ果てていたが、ひとしきり時間を忘れて同定遊びに興じることができた。
 
 察しの良い方はおわかりであろうが、いわゆるこれらは十中八九サンドポンプ系の貝で、忘年貝でも話題になったが、当地ではある決められた沖目の場所から採取され、工事や養浜に使われているものらしく、アジロなどもややスリムな水深のある所のタイプだったのもそれを裏付けていると思われる(帰宅後Nさんへ問い合わせたところ、たぶんそうであろう、とのことであった)。最近工事の多い当地の特徴を良くあらわす出会いであった。
 
 さて、最後に干潮時をねらって昨夜のUポイントへ。当たり前だが昼と夜ではまるで感じが違う。珍しく浜で海に入る格好をした親子連れがいる。
 
 水は…結構冷たい。波はそうでもないが潜りは次の機会にした方が良さそうか。昨夜見た岩の周辺くらいは見ておきたかったので、下半身は濡れてもいいような格好に着替えて探索開始。まず浜で打ち上げ。とはいえこんな時間では良いものは難しいであろう。小さい貝を狙って丁寧に見ていくと、ガスのクチムラサキ。スルーして先を見ると特徴的な形のお宝が。ヒロクチダカラ!
昨晩Nさんからいただいたが、自分で拾うのは初。よかったよかった。
 
 ふーむ、この浜にもいたのか…。ちょっとテンションが上がる。潜水探索での楽しみがもう一つ増えたとほくそ笑みつつ、昨夜の岩周りの様子をうかがうべく、やや沖目へ。この探索では、岩付近や礫下でハナビラ・ハナマル、キイロを確認できた。そうこうしているうちに潮が上げ始めたので早めに撤収した。
 
 今回の冬修行は、南国とはいえかなりの低温と風波に見舞われて厳しかったが、目標の一つだったリュウキュウをゲットでき、またあちこちの浜の雰囲気を自分なりにつかむことができたので、次の修行に楽しみができたことは良かったかな、と帰りの機中でウトウトしながら思った私でありました。
 
 また寒い中、温かく迎えていただいたり一緒に漁火につきあっていただいたNさん夫妻・しゅりさん・Aさん、本当にありがとうございました。
 
                      (おわり)