礫下に半分隠れた腹を上にして転がる中型の宝貝。目に飛び込んだ褐色で太い歯。
…これは!!!
一瞬の火花、確信を抱きつつ取り上げる。
やったね!
カバフダカラ!!
久々のP浜で久々の初物。背は擦れているが完全な成貝。
そして、久々に強欲モード発動。周囲を慎重にほじくり返す。クロとナツメモドキ若貝。
まあこんなものか、と一旦手を休め、波打ち際を見やるとはっきり上げ始めの気配。早めに下の方を見た方が良かろうと、岩を回り良さげなのに余り良い思いをしたことのない手前の貝だまりへ。いつもよりは上側へ押し寄せられた感じ。
ここは小さい貝が多いので目線を下げて探索したが、残念ながら空振り。どうも雰囲気がよろしくなさそうなので、早々に撤退。
…さて、ここまでで1時間ほど。とりあえず来た甲斐はあったし、上がろうかなと思ったのだが、何となく心惹かれるものがあって、先ほどのカバフポイントに舞い戻る。これが好判断。
今度は左奥へと表面を掘り進む。っと、また礫の陰に丸い姿。白い腹が見え、ホシキヌタかと思ったが、ちらっと茶色の歯間が見えた。
これで決まり!
ヒメホシダカラ!
まだ若い貝ではあるが、歯のある貝はこの浜で3つ目。よしよし、舞い戻った勘は間違っていなかった。
再び強欲モード。
…と思い、探索を再開した刹那、目に飛び込んだのは海草の固まりの中、あのおなじみのアラビア模様。