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2013.3.29〜4.1 南国修行春の陣供舛修裡
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1日目:2013年 3月29日(金)  「夜はちゃんと寝ましょう。」
 早朝羽田を飛び立った満席のANA機内には、今月2度目の春桃亭白酒の「松曳き」を聞き流しながら桜満開に背を向けて南国へ向かう男の姿があった。
 
 昨年は職場が変わるなど動けずじまいだった男にとって、この月末の引き潮は絶好のチャンス。例によってやるべき事を前後に無理矢理押し込んで日程を捻出。「貝はいないよ」(by しゅりさん)という噂の南島ではあったが、さまざまなもくろみを胸に妄想を巡らしながらの出発であった。しかし、その実どこを攻めるか深く考えていない杜撰さは相変わらず…。
 
 車を得て雨の中9時に出発。今日の引きは午後だったのでまだ余裕がある。あれこれと買い物をし、浅場で水中探索の後、引きでエッジ付近、という目算を立て、お馴染みのGポイントへ向かう。
 
 浜へ到着。水温は20℃そこそこ位の感触か。天気は回復気味で風がないのがありがたい。水中の具合は如何に、と見渡すと礫がかなり上の方へ寄せられた感じで(台風の影響か?)、アマモ帯近辺には極端に少ない印象。
  数少ない大型の礫を見つけて返すとホシ若貝が登場。ふむ。
 
 礫を求め、さらに沖目へ。えんえんと行軍を続ける中、カモンのFDを2つ拾う。が、他はサッパリ。うーむ…。
 
 エッジ近くの浅場に到着して振り返ると、かなり引いて先ほどとは格段に光景が変わっている。平日ではあるが、海の幸狙いの地元の人たちの姿もちらほら。
 
…補給をしつつ、エッジ付近で探索続行。一発狙いで潜ってみる。が、残念ながら大物は姿を見せず。後学のためにいくつかの貝を得たのみ。
 
 そうこうしているうち、エッジ付近もさらに引き、かなりの量の礫が顔を出し始めたので転石を試みる。ハナマルがもっとも多く、キイロ・ハナビラ・ヤクシマといった常連組もちょこちょこ。が、一発は現れず。リュウキュウも型見ず。ふーむ…。
 
 ふと気がつけば5時間近くの探索に。昨夜はほとんど寝ていないため、さすがに疲労を感じ、上げ潮の気配を感じたところで踵を返すことに。アマモ帯を右往左往しつつ浜へ帰還する。
 
 着替えをすませて宿へ、と思いきやあと少しのところでアクシデントに見舞われる。その始末に思いも寄らぬ時間がかかり、宿へたどり着いたのは21時過ぎ。ゲン直しに飲料燃料を多めに摂取し早々に眠りにつく。失せ物が続発だった前回の流れを引き継いだのか?不安が募るすべり出しの一日でありました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2日目:2013年 3月30日(土)
 
  「突然の出会いに感謝しましょう。」
 
 
…一夜明けて2日目。昨夜は久しぶりに熟睡して目覚めもサッパリ。天気はぐずつき気味だが大きな崩れはなさそうか。気合いを入れ直して準備をする。昨夜当地のNさんに連絡がつき、午後干潮で採集をご一緒する約束が出来ていたので、午前中はどこを攻めるか、であった。あまりいい感じではないという噂もあったが、当所からの目論見通り、前回最後に攻めたUポイントの海中探索を試みることに。ミートと卵サンドのおにぎりやら当地ならではの補給食を買い込み、一路高速を北へ向かう。
 
 破壊した磯用シューズを急遽買い求めた後、Uポイントに着いたのは10時半。2時間ほどの勝負か。土曜日だけあって浜で遊ぶ人の姿もちらほら。岩の上に荷物を置き、とっとと準備をして海中へ。
 
 …明らかに昨日より水温が冷たい。上げ潮+東よりからの風で外の潮が入っているためか。波もそこそこあり、磯際はかなり揉まれる。もう一つ困ったのは視界の悪さ。ぐずついた天候が続いたためか濁りがかなりひどい。沖目へ出ようとしたが、濁りはさらに先へ続いているようなので、磯を回り込んで濁りの少ないエリアを求めて移動を繰り返す。ふーむ…。
 
 そんな中でもレギュラーのお宝はちらほら現れる。潮の当たりがいいせいか、ハナマルがかなり。南紀のように磯のウニ穴にはまりこんでいる。あとはハナビラあたり。海中に点在する礫も、サンゴではなく岩礫が目立ち、お宝の住み処としては不向きな感じ。(後で聞いた話では、昨夏の台風によりサンゴ礫がかなり打ち上げられてしまった、とのこと。)
 
 これといった収穫のないまま、岩から岩を巡っていると、小さな岩の上にきれいなキバタケが転がっているのが見える。勿論100%ヤドカリだろうが、持っていない貝だったし、ディスプレイ用にいい感じだったので、呼び水のお呪いとして袋へキープ。
 
…その直後。
 
30cmほどの泥岩の礫を手で返そうとしたが、一部が固着していて動かない。そこで金テコを突っ込み剥がしにかかると、ボコッと破壊していくつかの小片が波に流される。濁りが湧く中、何やら違和感を感じ目をこらすと、茶色の岩盤の上に黒っぽい模様が見えた。濁りが潮でたなびく中、その模様がただの岩の汚れではないことに気づいた。
 
 
…????????
 
 
不審に思い、濁りの中を探り、つまみ上げる。この模様は間違いない。返して腹を見ると、軟体が引っ込むのが見えた。おお、生貝!!
 
 
 
 
 
ニセサバダカラ!!
 
 
 
 
 
…サバはあちこちで手にしていたが、なぜかこの貝とはどうも縁が無かった。サバより泥好みで狭い暗がりを好むのではと思っていたが…。こんな所にいたか。とりあえず、来た甲斐はあった。
 
 
久々に海中で強欲モード発動!
 
 
 水の冷たさも忘れて転礫を繰り返す。ハナビラ・キイロ・ナツメモドキの南方浅場御三家がボロボロ顔を出す。ヒロクチあたり出ても?と思っていたが、追加個体は登場せず。我に返るとそろそろ12時。次の動きもあるのでここで上がることにする。天気は回復して日差しが温かい。外套膜写真を撮りたかったので、ニセサバ嬢を丁重に容器に納め、そそくさと着替える。
 
 おにぎりで補給をすませ、Nさん宅へ。サンドポンプがらみの貝話で盛り上がり、驚愕の某白玉もありがたいことに頂いてしまう。今日は前回私も偵察したTポイントあたりをうろうろしようか、とのこと。工事による泥の流入の影響がどれほどになっているのかがわからない、と心配しておられたが…。
 
 まずはTポイントへ向かう。時間は13時過ぎ。干潮まで2時間くらいか。大きく引いた干潟に点々とサンゴ礫。返していくとナツメモドキがちらほら。名物?の大型ホシキヌタやヒメホシは現れず。死殻も見あたらない。…うーむ。
 
 想像以上にひどいですねえ、と顔を曇らせるNさん。かろうじて見つけたクチムラサキの死殻1に後水管が閉じてしまったフリーク大型キイロを
頂く。水面下の礫を返すと泥がたなびく感じで、工事の影響がさらに進んでいることをうかがわせる様相であった。
 
 さらに進むとクサビライシの群がる地帯へ。膝くらいの深さに点々と生きた個体や死んだ個体が散らばっている。潮の影響か、この近辺は泥がさほどでもない感じ。
 
 ウミケムシの陰におびえつつ、礫を返していく。お宝の影の薄さは気になったが、一縷の望みを託して一つ、また一つ…。
 
 
 諦め気分が濃厚に漂う中…死殻は見なくとも、それでも当たり牌は潜んでいた。
 
 
 
気まぐれな神の気まぐれな悪戯。
 
 
 
…いきなりツモ。
 
 
 
 
ヒロクチダカラ!! 
 
 
 
 
 
おお!
 
写真を撮る間もなくつまみ上げて袋へ。いる場所とは聞いていたが、この惨状の中、生き延びてくれていたか。
 
 
 
 
本日2度目の強欲モード発動!!
 
 
 さらに追加を目指して周辺を探る。するとすぐにまたまた発見。が、これは抱卵しているペア。厳しい中だが、繁殖してくれていたか。期待を込めて写真だけにとどめ、そっと元へ返す。
 
 
 Nさんに発見を告げると、よかったよかったとほっとした表情。私は何もかも忘れて南の海で遊んでいるのがとにかく楽しいのでOKですよ。
 
 
…場所替えしましょうか、とZポイントへ。何でも数は少ないが大型のホシが出る、ということ。砂浜にたたずむ岩の穴をのぞき込むが…ここは不発。遠征してきたAさんが採っちゃったせい(笑)ということにして移動。
 
さらにEポイントへ。ここもTポイントに似た感じのところだが、やや潮通しが良い感じ。海の幸狙いの男たちが干潟を右往左往している。時間はそろそろ干潮を過ぎ上げ気配。急がねばなるまい。
 
 沖目の転礫から開始。しかし、お宝は見えず、かろうじてナツメモドキが出た程度。しかし、Nさんは本業?の二枚貝方面でヒットを飛ばし、さすがです。
 
その後は、Nさん宅に戻り貝談義と机上採集。大袋に入って積み上げられた砂に驚き、そこから得られたウサギや白玉、ザクロ方面の同定を楽しみながら、様々な楽しいお話が続く。初日のマイナス分を取り返して余りある充実した一日は、こうして夜を迎えたのでありました。
 
 
 
                   (つづく)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…Eポイント。ここもお宝は少なめ。うーむ。
 
 
 
 
 
…Gポイント。今日も穏やかな風情。
 
…Gポイント海中。濁りはない感じ。
 
…若いホシは何とか発見。
 
エッジ付近にて。ハナイモ・カモン×2。
 
 
 
 
 
 
…Uポイント海中。かなりの濁り。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…こんなところに???
 
…Uポイントの収穫。小さなニセサバですが。
 
 
…ついに出会えたニセサバ。外套膜はほこりのよう。触角は黄色。
 
…横から。暗がり好きの割には外套膜は良く出してくれます。
 
 
 
Nさんからのいただきもの。クチムラサキ・キイロFreak、ヒロクチイモ。
 
 
 
 
 
…ついに出会えたヒロクチ。抱卵ペア。がんばれよ。
 
…ヒロクチ。長さが長いので横から見ると意外に迫力。
 
頭部。オレンジの触角と口。サンゴ礫を削って食しているのでしょう。
 
…初物ツーショット画像。
 
…Zポイント。ホシはいませんでした。