2004.12.25
(神奈川・A海岸)
…仕事から帰って天気予報を見たら、明日からは風が強くなるとの報。満月付近の大潮で日・月曜あたりに今年最後の漁火にチャレンジしようと思っていたのだが、この報を聞いて急遽繰り上げることにし、車を海へ走らせた。今回は打上げでよく行くポイント近くを探ってみようとひとりA海岸へ。
 
早速探索を開始。すぐチャイロ若貝1を見つけるも、後が続かない。結構険しい磯で、足元からすぐ深くなる場所も多く、迂回を余儀なくされることもしばしば。海藻も繁茂して探索しづらいこと…。メの姿をちらほら見るのみで沈黙の時間が続く。
「そういえば夏場もメしか見なかったしなあ」とネガティブな思いが強くなる中、他の場所への転進もちらついてきた時、切り立った岩の合間に80cmくらいの小さな潮溜まりを見つけ、どれどれとのぞき込もうとした途端、視界の隅に黒い縞模様がちらりとよぎった。
 
まさか‥‥‥‥‥‥‥‥‥?
 
水面ぎりぎりのところの3cmほどの岩穴の奥、懐中電灯の明かりで浮かび上がった縞模様の細長い姿。
 
クロ生‥‥‥‥!!!!!!!!!!
 
…1分後、ピンセットで慎重に引っ張り出したのはまごうかたなきクロの若貝でありました。春先のFD発見から8ヶ月、いるはずだと探し続けてようやく当地で生をゲット!まさに胸のすく思いの発見に、予想的中の快感と安堵の想いに数刻ひたる私でありました。
 
我に返って潮溜まりを見ると(今度は成貝が欲しくなったので。人間の欲は果てしない…)ほとんど姿を見せなかった貝たちがぞろぞろと顔を出す。結局この小さな水溜りでは女郎花6・メ8・ハナマル4・チャイロ2・クロ1を確認できた。貝のいる場所はピンポイント、というのは何となく分かっていたが、流れ込みの加減なのか磯の突端にこんな小さなパラダイスがあったとは…。
(クロ以外はそのままにしてきました
。)
 
さて、俄然強欲モード発動で湧き上がる中、探索を続行。…が、また先刻同様の沈黙が続く。「さっきのは一体なんだったんだ?」と思いたくなる、女郎花すら見えぬ展開。時計を見るとまだ時間があったので、一度戻って入り江を挟んだ反対側の岬を狙ってみることに。
 
…こちらはさらに磯が険しく、夜目にも潮が速い。足元から深さ数mはありそうなので波打ち際はあきらめ、岩の割れ目から潮の流れ込む潮溜まりを狙って乗り込む。ふと気がつくと、風も猛然と吹きはじめ、波も高まってきている。そんな中、数は少ないもののレギュラーメンバーの姿を見つつ探索していると、波にあらわれる岩の上にキイロ成貝1を発見してゲット。気温水温が高かったのかまだ元気な様子である。そして行き止まりの直前の大き目の潮溜まりでの最後の探索で、岩の下に張り付くホシキヌタ1をゲットし、撤収することに。
 
…とりあえず、今年のうちにクロ生ゲット達成。
 
車に戻って飲んだ冷たいお茶の最初の一口が、気絶するほどうまかった。
 
…クロ生(若貝)3態。なかなか外套膜を出してくれなかったが待つこと数刻、ようやく。それにしても、貝も外套膜も地味な貝ではある。
 
 
…ホシキヌタ生。今年は多い年なのだろうか。行く度に見かける。普通種ではあるが、生殻は透き通るような艶に雪模様が実に美しい。
 
 
…今回の収穫。左ホシキヌタ・中キイロ成貝(dwarf)・右クロ若貝。