…さて、浜の具合はと見ると、前回よりもさらに左右の貝だまりが大きくなっている感じ。
まずは波打ち際近くから探索開始。特別室用にホシキヌタdwarf&幼貝を拾った後、前回アジロを見付けたポイントへじわじわ移動。やや大きな打ち上げが積もる場所をひっくり返すとニセサバ(ガスガス)が顔を出す。さらにやや若いサバ(まあまあ)・シラタマ3を追加。打ち上がった腐れカジメのドロドロに辟易して一旦探索を打ち切る。
方向転換して今度は中央部に向かって探索開始。落ちていたコウイカの甲を手に貝をかき分ける(軽くてなかなか具合がよい)。
…と、すぐに「見慣れてはいるがここでは見たことのない」背中がすぐ目に飛び込む。
ヒメホシ…!(おおっ。)
当地では自身未見。みなさんからの情報で、いずれは出会えると思っていたが、現実に手にするとやはり嬉しい。よしよし。
…ここで強欲モード発動、さらに奥へ向かって猛然と探索を続行するが、クロ・アヤメを追加したにとどまる。大きな貝だまりがあったので期待してほじくり返したが、ここは不発に終わる。
昼も近くなり、大分観光客の声が飛びかいはじめ、上からの視線も感じてきたので、死角になる最初の貝だまりへ戻り探索を続行。
ややくたびれ気味の上、ドロドロカジメとそれを食しに集まったトビムシハサミムシフナムシらがうっとうしい。使い勝手の良かったイカの甲もすでに砕け去り、木ぎれとピンセットでほじくり回す。クチグロの破片にがっかりした直後、
…ン?
ナシジにしてはやけに丸くて大きなブツが顔を出したので拾い上げる。擦れていたがウミナシジの匂いがしたので一旦キープ。さらにほじくり返すと今度は少し細長いが後端が発達したのが転げ出る。サイドを見るとわずかに橙色の地が…これは本命か、とほぼ確信したが、かなり擦れてもいるし、結論は帰宅後出すことにしキープ。
お昼も過ぎ、さすがに空腹を感じたので撤収しようと表ルート下へ向かったら、上から中年夫婦が見下ろしている。と、奥さんらしき方がいきなり「どういうルートでそこへ…?」と聞いてくる。「パラシュートで…」と言おうとしたがやめにして、「そこですよ」と二人の足下を指さす。のけぞる二人をそのままに、裏ルートへさっさと回り、崖を登って撤収した。
帰りにしおさい博物館に寄り、持っていなかったガイドブックを買い込んで帰宅した。件の疑惑のウミナシジ2ヶは、帰宅後家の標本と比較した結果、前者ナシジ後者ウミナシジとの結論に至った。