2009.10. 3  (神奈川・J島)  
 なんだかなあ、ということが多い中、状況によってはもう一潜りを企てていた週末。しかし、台風のうねりもあり波高2.5mという予報に断念せざるを得ず、打ち上げ採集に切り替える。

…目覚めたのは10時過ぎ。今日は大潮の干潮10時半。探索場所をどうするか決めずにあたふたと車を出す。朝方降って小やみになっていた雨が再び降り出し、風も少々。悪天候は逆に望むところだが(家族連れやBBQ軍団がいないので)、まあP浜は厳しいかと思いつつ高速に乗る。しばらくすると雨が激しくなり、雷も鳴り出す。高速を降りる頃は前も見づらいほどの驟雨&雷鳴。こういう中で崖下りは止めるに限る。P浜への道をスルー。さらに進むと道路は水を被り出し、雷鳴はますます鳴り響く。こんな中で砂浜を延々と歩くN海岸もないだろう。スルー。水たまりをよけつつ走るような状況であったが、いい加減走っているうちに回復してくるだろうと、J島まで足をのばすことにする。

 駐車場に滑り込んだのが昼近く。予想通り、ほとんど車は止まっていない。わずかな車も、あの雷雨で引き返してきた釣り人が帰るために乗り込もうとしている状態。篠つく雨の中、釣り用の厳重防水カッパにビーサンというアンバランスな格好で浜へ向かう。途中見える海は不機嫌な灰色、うねりもかなり高い。降り口が波にかぶっていそうなX浜はあきらめてA崎へ向かう。P浜と一味違うここっぽいもの(ウサギとかクロシオダカラとか)が出ればいいなと思いつつ、林をくぐり抜ける。

 
…A崎。このころはもう夕刻、天候は回復している。波は満潮&うねり込みで結構な感じ。
 
 
 
…ヤッコグルマ。外径11.8mm。
 
…上ヤッコグルマ、下ネジガイ×3(真ん中はヒメネジかも)。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…クロシオ。擦れていると背面ではメダカラと区別しにくい。ひっくり返すと
一発なのだが。ずっとだまされ続けてきたが、ようやくアタリ。
 
…左上からサバ・ツマムラサキメ×2・ワスレシラタマ。下段クロシオ・ツグチ
×3。右端アジロ。
 思った通りA崎は無人。雨もやや小降りになってきたし、雷鳴もしない。潮が上げ始めているので波打ち際から探索開始。
 
すぐにツマムラサキメ1。気をよくしてさらに探索をすすめるが後が続かない。分厚い貝溜まりを漁ったり、いい感じの岩陰の下をかなり深く掘り進めてみるが、何も出ず。うーむ。
 
そうこうしているうちに雨も止み、急速に天気も回復してきた。同時に家族連れや釣り客が続々と姿をあらわす。
 
彼らを避けつつ岩を越えて別の貝溜まりに移動。先ほどよりは薄くばらまかれた感じの場所。大きなネジガイを見付けてついキープ。どうもイトカケ系はつい拾ってしまう。さらに細かく見ていくと、アカフジツボの破片の間にころんと転がる濃褐色。
 
 
 
…ヤッコグルマ。
 
 
この浜で結構拾えるので一部で話題になった貝。ガスっぽいのを以前見たことはあったが、今回のは大ぶりできれいな個体。よしよし。
 
 
気をよくして探索続行。さらに高潮帯よりに盛り上がっている貝溜まりを見付け、腰を据えてじっくり崩しながら見ていく。ツマムラサキメ1、ガスっぽいツグチ1をゲット。さらに高い方へ移動し、次の貝溜まりでツグチ、若いサバ
、ワスレシラタマを追加。期待していたクロシオはあらわれず。擦れたメダカラばかり。
 
 
ここで時間も3時過ぎ、駐車場が5時に締まるのであと2時間足らず。チェックしていない場所をぼちょぼちょと見つつ、波打ち際近辺に戻りしばらく探索。大した収穫はなし。
 
 
4時をまわり、家族連れも引き揚げ始め、一番にぎわっていたあたりの貝溜まりを覗いてみることにする。結構分厚く溜まった貝をかき分けていく。何かき目だったか、背が白っぽく褪せた1cmほどのお宝が転がりだした。今日もまた何十回と裏切られてきたので、期待せずに拾い上げて腹側をチェック。
 
 
…狭い口、メダカラとは比べものにならない細かい歯
 
 
 
あら。
 
 
 
最後に出た。クロシオダカラ!
 
 
 
 
…はるか昔、他県某浜で拾ったことはあったが、どこかへ取り紛れて行方不明になっていた。地元ではなかなか巡り合わせが悪かったので、これがお初。よかった。
 
 
 
…強欲モード発動。残り時間もわずかではあるが、もう少しマシな状態のモノはないかと探索続行。すぐにツグチ、さらにアジロ(残念ながら割れ物)を見付けたところでタイムアップ。
 
 久々のJ島であったが、狙いのモノが一通り出てくれ、雨風をついて来た甲斐があったなあ。それにしても、往きのあれは何だったのか、と思うくらい、帰路の路面は何事もなかったように乾いていたのであった。