早速転石開始。しばらくは何もあらわれず。不安の中、かなり小さめのコモンがようやく登場。ちゃんと老成しているが、サイズがかなり小さい。これはX島と共通する貧栄養状況のせいか??
…とか何とか水中でほざいていたら、続いて3個目の転石から普通サイズのコモンが次々登場。偉そうな仮説を立てたとたんにこれだが、まあいいや。何にせよお宝の匂いがすることは良いことだ。さらにエッジに沿って南へ向かうと、岩盤に固着した大きな死珊瑚礫の周りにメーター級の珊瑚礫がちらほらある場所へ。エイヤッとめくること3つめ、礫の裏からポロリとこぼれ落ち、砂煙に消えていく鮮やかな赤橙色の外套膜。砂煙が薄まるのももどかしく、底からつまみ上げたのは…
ツマムラサキメ!
…よしよし、強欲モード(中)発動。
さらに次のメーター級の下から丸っこい中型のお宝が出現、一瞬キッコウか、と緊張が走ったが何の変哲もないヤクシマ。さらにめくるとコモンが連発また連発。ようやくお宝の匂うエリアに遭遇した。さらにエッジ近くらしいフシダカ気味のキイロが連発、そしてヤクシマ。そして近くのメーター級の珊瑚礫を返すと、再び鮮やかな赤橙色の外套膜。今度はしっかり岩に固着している。ツマムラサキメ2個目!冷たい潮に耐える中、お宝との遭遇は続いた。
…ふと気づくと時間は15時近く。潮も上がりはじめ、モズク狙いの人影は礁原からすっかり姿を消している。さすがに体が冷えてきたので、遙かな浜を目指して撤退開始。途中のアマモ帯でも探索したが何もあらわれず、アオサ大繁茂で濁ったエリアを突き抜けて上陸。濡れた体を急いで拭いて撤収。
帰り道はリサーチをかねて南側一帯を車で偵察。断崖のK岬からO海岸付近、何カ所かで浜に降りて打ち上げを見てみる。ハナマルユキやキイロ・ハナビラといった常連組の中、意外にちらちら見かけたのがクロ。ただ東の風でうねりも入っているためか、波はかなり大きい感じでエッジ付近をさぐるのは難しそうである。サーファーにとっては喜ばしい状況だろうが。
渋滞を抜けて宿舎へ戻ると18時近く。しゅりさんとの約束まで1時間、シャワーを浴びて着替え、洗濯機にもろもろ放り込み、近くの酒屋を冷やかしていると、しゅりさんからのお迎え連絡が入る。
5分後、颯爽と車で現れたしゅりさんと初対面。私は勝手に白髪で髭を蓄えた方かと妄想していたが大はずれ、であった。車中、沖縄の車社会や仲間由紀恵の実家の場所など、ありとあらゆる話題が次々と華麗に展開され、かつまたタクシー運転手より詳しいという評判の技で華麗に渋滞を避け、いつの間にやら停車したと、と思ったらそこがX兄邸前。そして貝教徒ならではの、もろもろ戦果を納めた箱を抱えてX兄登場。
いきなり明け○○○〜!なんて言われたらどうしようかと思っていたが、そんなことはあるはずもなく(あたりまえだろ)、爽やかなX兄とあくまで爽やかに握手を交わしたのであった。
一次貝は時間限定で食事でも、という事で食べ放題の超薄切肉鍋屋へ。ダイエットをされていると言いつつも、そこは体力勝負の潜り人らしくX兄の食欲旺盛ぶりはさすが。追加の肉全種注文もやけに分厚い鶏肉を除いて(これは火の通りの時間を稼ぐ店側の陰謀か?)時間ぎりぎりまで延々と繰り返される中、ダイビングや貝・そしてあの人この人の話題と話は尽きなかった。
一同満腹の後、米国流早出挽肉料理屋へ移動。いよいよお宝拝見の時間となった。やはりX兄のサイトでおなじみの数々のダイブ中の戦果、そしてタヒチものと現物を目にしてうなる逸品が続々。気前の良いお二方はさらに過分なお土産まで用意していただいており、うれしさに舞い上がった私は終了間際に「タヒチアワユキ一瞬消失事件」を引き起こすなど、お恥ずかしい限りでありました。お二方、お忙しい中、楽しい時間を本当にありがとうございました。
(つづく)