2011.3.31〜4.2 南国修行春の陣〜その2
2日目:2011. 4.  1(金) 「勝負の昼、出会いの夜」
…生でいい気分になって宿舎へ帰着した私を待っていたのは…南紀オフ会でも出た、例の肩痛。

 日頃の運動不足のくせに、夢中になって転石しまくると発病する、「急性転石性三角筋痛」。
夕食の頃から兆候はあったが、体が冷えてくるとやはり襲ってくる。ここは秘策「泡盛古酒で即睡眠」しかなく、片付けもそこそこにベッドに倒れ込む。

…翌朝は昨日にも増して好天。一晩明けて肩痛も全く消えている。さて、今日はどうするか…夜はしゅりさんやX兄とのお楽しみ貝も控えているし、あまり遠出もどうか、と思う中やはり気になったのは昨日攻めたポイント。もう少しアマモ帯付近の探索範囲を広げてみたいし、エッジ付近も気になるところ。途中のコンビニで朝食を仕入れ、昨日は入り口がわからずうろうろした曲がり角もすんなりクリアして目的地へ9時過ぎに到着。海はこれから大きく引いていきますよ、的な風情。車で到着したおじさんおばさん混成隊1組を除き、浜に人影なし。


 さっさと着替えて今日は右方面へ。潮はみるみる引きつつ礁原があらわれていく。アオサ繁茂帯の転石では例によってハナビラ・キイロの乱れ撃ち。自己記録らしき大型ハナビラを一つつまみ上げてさらに先へ進む。やや水深のあるアマモちょろちょろの砂地帯へ。このエリアはちょっと水温が低いのか、明らかに冷たく感じられる。しかし気合いを入れてぽつぽつある転石を返していく。そこはかとなくX島の琉球宝生息地と似た感じだったが、成果は皆無。どうもお宝の匂いも希薄。サオトメイモらしきイモ貝やら赤い肉を持つ何とか貝をまじないとしてバッグに納めたが全く効果なく、見切りをつけて一旦元の浜辺に。

 干潮も近づく中、遙か沖合に波立つエッジが遠望できる。そして、手前の礁原に散らばる多くの人々。どうやら皆さんモズク狙いらしい。その中へ泳ぎで入り込むのもいかがなものかと思い、歩いて間を抜け、遙か遠くのエッジ付近に狙いを定めた。ガレ場を抜け、枝珊瑚繁茂帯を避けつつエッジ近くに近づくとほとんど干上がっている。波は近くで見ると意外に高く、外海の影響か水も冷たく感じたため、エッジ外側狙いは自重し近くの転石に狙いを定める。結構な数の大小の礫が転がり、そこはかとなくいい感じ。
 早速転石開始。しばらくは何もあらわれず。不安の中、かなり小さめのコモンがようやく登場。ちゃんと老成しているが、サイズがかなり小さい。これはX島と共通する貧栄養状況のせいか??
 
…とか何とか水中でほざいていたら、続いて3個目の転石から普通サイズのコモンが次々登場。偉そうな仮説を立てたとたんにこれだが、まあいいや。何にせよお宝の匂いがすることは良いことだ。さらにエッジに沿って南へ向かうと、岩盤に固着した大きな死珊瑚礫の周りにメーター級の珊瑚礫がちらほらある場所へ。エイヤッとめくること3つめ、礫の裏からポロリとこぼれ落ち、砂煙に消えていく鮮やかな赤橙色の外套膜。砂煙が薄まるのももどかしく、底からつまみ上げたのは…
 
 
 
ツマムラサキメ!
 
 
 

…よしよし、強欲モード(中)発動。
 
 さらに次のメーター級の下から丸っこい中型のお宝が出現、一瞬キッコウか、と緊張が走ったが何の変哲もないヤクシマ。さらにめくるとコモンが連発また連発。ようやくお宝の匂うエリアに遭遇した。さらにエッジ近くらしいフシダカ気味のキイロが連発、そしてヤクシマ。そして近くのメーター級の珊瑚礫を返すと、再び鮮やかな赤橙色の外套膜。今度はしっかり岩に固着している。ツマムラサキメ2個目!冷たい潮に耐える中、お宝との遭遇は続いた。
 
…ふと気づくと時間は15時近く。潮も上がりはじめ、モズク狙いの人影は礁原からすっかり姿を消している。さすがに体が冷えてきたので、遙かな浜を目指して撤退開始。途中のアマモ帯でも探索したが何もあらわれず、アオサ大繁茂で濁ったエリアを突き抜けて上陸。濡れた体を急いで拭いて撤収。
 
 
 帰り道はリサーチをかねて南側一帯を車で偵察。断崖のK岬からO海岸付近、何カ所かで浜に降りて打ち上げを見てみる。ハナマルユキやキイロ・ハナビラといった常連組の中、意外にちらちら見かけたのがクロ。ただ東の風でうねりも入っているためか、波はかなり大きい感じでエッジ付近をさぐるのは難しそうである。サーファーにとっては喜ばしい状況だろうが。
 
 渋滞を抜けて宿舎へ戻ると18時近く。しゅりさんとの約束まで1時間、シャワーを浴びて着替え、洗濯機にもろもろ放り込み、近くの酒屋を冷やかしていると、しゅりさんからのお迎え連絡が入る。
 
 5分後、颯爽と車で現れたしゅりさんと初対面。私は勝手に白髪で髭を蓄えた方かと妄想していたが大はずれ、であった。車中、沖縄の車社会や仲間由紀恵の実家の場所など、ありとあらゆる話題が次々と華麗に展開され、かつまたタクシー運転手より詳しいという評判の技で華麗に渋滞を避け、いつの間にやら停車したと、と思ったらそこがX兄邸前。そして貝教徒ならではの、もろもろ戦果を納めた箱を抱えてX兄登場。  
 
 いきなり明け○○○〜!なんて言われたらどうしようかと思っていたが、そんなことはあるはずもなく(あたりまえだろ)、爽やかなX兄とあくまで爽やかに握手を交わしたのであった。
 
 一次貝は時間限定で食事でも、という事で食べ放題の超薄切肉鍋屋へ。ダイエットをされていると言いつつも、そこは体力勝負の潜り人らしくX兄の食欲旺盛ぶりはさすが。追加の肉全種注文もやけに分厚い鶏肉を除いて(これは火の通りの時間を稼ぐ店側の陰謀か?)時間ぎりぎりまで延々と繰り返される中、ダイビングや貝・そしてあの人この人の話題と話は尽きなかった。
 
 一同満腹の後、米国流早出挽肉料理屋へ移動。いよいよお宝拝見の時間となった。やはりX兄のサイトでおなじみの数々のダイブ中の戦果、そしてタヒチものと現物を目にしてうなる逸品が続々。気前の良いお二方はさらに過分なお土産まで用意していただいており、うれしさに舞い上がった私は終了間際に「タヒチアワユキ一瞬消失事件」を引き起こすなど、お恥ずかしい限りでありました。お二方、お忙しい中、楽しい時間を本当にありがとうございました。
 
                       (つづく)
 
…Gポイント。今日は車を入れてみました(意味無し)
 
…本日の成果。ツマムラサキメ連発は望外の戦果。ちなみにハナビラ
27mm、コモンは21mm
 
…H島最南端近くにて。面白そうな所だが波高し。崖も高し。
 
…サーファーが多く出ていたQポイント。エッジまでは近い。
 
…Qポイント打ち上げ。画面中央にクロ。
 
…X兄ゲットのH&T島コレクションの一部。すばらしい…。