本種は謎の多いキヌヅツミで、Holotype標本に合致するもの
が少ない稀種とされており、ディーラー等で本種とされている
もののほとんどがムラクモキヌヅツミである。殻は紡錘状で
白く、内唇側の背と滑層の間に黄色いラインが入るのが特
徴。先端は細く尖り淡橙褐色に染まり、斜めになりやや反る。
この貝は黄色いラインは淡いがその他は原記載と良く合致し
ており、飯野氏にも見ていただいたが、レーダーの特徴を備
えているとのことであったのでここにあげた。ただ、飯野氏も
この種自体ムラクモのバリエーションではないか、という考え
も持っておられ、例えばこの画像の貝も外唇側背面に淡い
黄色ラインが見られるなどムラクモらしい所も窺え、今後の
研究が望まれる。日本(房総・紀伊半島沖)・南アフリカの深
場で見つかっている。ホストは不明。