2008.7.30〜南国X島夏修業検 舛修裡
4日目:8月2日(土)「お宝ポイント、再訪。」
…やや不完全燃焼気味の状況が続く中、X島滞在も折り返しを迎えた。何としても南国ならではのお宝をゲットすべく、本日ターゲットに選んだポイントは去年からの宿題ポイントにしていたH浜。昨年磯でハチジョウを得た浜である。昨年は時間がなくて潜れなかったので、とりあえず海中を見てみたい、という思いが募っていたのである。
…とはいえ朝一は満潮。入浜ルートもほとんど水面下であり、行くだけでかったるそうだ。
そこで、買い物がてら車を飛ばし、数カ所の海岸を偵察に出る。途中フロントガラスに水滴が、と思ったらスコール!すぐ止んだと思ったら、某海岸で両足下までくっきりの見事な虹。しばし呆然と見惚れてしまう。
 
 偵察&補給終了後、H浜入り口に車を止め、荷物を肩にかけてポイントへと向かう。まだまだ引き潮には時間があるので、膝上くらいまでつかりつつ前進また前進。
 
 十数分後、昨年のポイントに到着。低い真っ平らな岩盤が広がる場所であるが(千畳敷、というほどの規模ではないので、「八丈敷」と命名)、まだ水面下である。その先は大きな岩が重なって険しそうだったので、ここに荷物を置く。
 
 取りあえずさらに先の様子を見ようと出陣。
岩が折り重なる岬からさらに沖へ。海底は思いの外、生き物の臭いがしない感じで転石できそうな石も少ない。水深も浅い。キイロがちらほら、程度。うーむと水中で一人唸りつつ沖目へ。まずはリーフエッジまでの状況を見ておこう、と思ったのだが、状態は変わらぬまま。いかんなあ、と思っているうちに生きた珊瑚があらわれはじめ、いきなりエッジに。そこから先はかなり急激に落ち込んでいる感じ。
 
 波は大したことがなかったので、少し岩陰を探索し始めると、背中に何か当たるものが…。ひょいと顔を上げるとスコール。タオルや脱いだシャツを、岩の上に干したままだったなあ…。うーむ、仕方ない。
 
 今さらなのでそのまま探索続行、と行きたかったのだが、今度は顔にピリッと弱い刺激が。さっきから何度かあって気にはなっていたが、これはまさか…
 
 
 
あっ。
 
 
 
 
 
目と鼻の先に半透明のお姿。
 
 
 
 
ハブクラゲ…だよな??(自信ないが…)
 
 
 
 
 
…こんな沖目で直撃弾、なんてのはごめんだ。ということで丁重に横へ避難して遠ざかる。時々顔に来る刺激を感じつつ、岸寄りに下がることにする。
 
 少し戻って顔を上げて見ると、先の岬を回り込み、小さな砂浜の沖。スコールもいつの間にか止んでいる。深さは2m弱、結構手頃な岩や死珊瑚が散乱している。さっきよりは脈がありそうだ。探索を始めるとすぐキイロ。さらに激めくりしていくとコモン。去年もあったパターンだ、っと思っていたら案の定、
 
 
 
サバ!
 
 
 
 よしよし、大ぶりの良い個体だ。今日も坊主ではなかった。テンションアップ。
 
 続いてピカピカのサバFD。2つ後にめくった大きめの珊瑚礫下からはヒメホシ(若貝)も顔を出す。いつも思うのだが、広い海の中でこういったピンポイントでバタバタ、というのは何とも不思議なものである。そして今回も、少しそこから逸れたところではパッタリ、であった。
 
 昼も過ぎたし、荷物が心配だったので一旦上陸。空模様を見ると大丈夫そうだったので、濡れた着替えを木に引っかけて干す。大分潮も干潮に近づき、「八丈敷」もすっかり顔を出して去年の様な状況。補給の後、今年はどうか、と八丈敷上の岩下のぞきに出る。
 
 
 
…1つめ、なし。
 
 
……2つめ、カニ。
 
 
………3つめ、…………いた。若貝。
 
 
これは写真におさめてスルー。
 
そして…
 
 
4つめ、奥に小さいが丸くこんもりしたシルエット。ヤクシマか??
 
 
 ピンセットで弾き出す。出てきたのは小型ながらハチジョウ成貝。おお!いたか!自分で持っているフィリピンものには届かぬがかなり小さい。キープ。
 
 
 
5つめ、岩の奥に逆さに張り付いた姿。取り出してみると、横にぐっと張り出し、背中が黒い貫禄ある個体。よしよし。
 
 
…この後、若・老成数個体&ヤクシマ×3を見付ける(スルー)。マイポイント今年も健在、うれしいことであった。
 
 
 上機嫌で転石に。ナツメ・ハナビラ・キイロ・ヤクシマといったレギュラーメンバーのみ。何か違う色のお宝が飛び出す予感があったのだが…妄想に終わる。その間、岩にはまりこんでいたカワラガイ生1を拾う。この仲間特有の、横から見てのハート形が可愛らしい貝である。
 
 八丈敷の探索を終え、今度はその沖を見たくなり潜水。そこそこの深さに珊瑚と転石がちらほら。大きめの礫をめくりつつ沖へ。程なく生きた珊瑚が折り重なるエッジに到達。転石と岩陰をのぞき見しつつ、エッジ沿いを進む。エッジ下の貝溜まりで超ガスアミメと超FDマメシボリを拾ったところで、夕刻も近くなってきたので撤収することにする。
 
 
…前2日に比べると、遙かに面白みのある感じだった。まだ先ほどの砂浜からさらに奥へと続く海岸線も期待できそうだ。八丈敷健在を喜びつつ、次のターゲットも決まってうまいビールを飲めた好き一日でありました。
 
5日目:8月3日(日)
     「いざ行かん、お初の浜へ」
 
 X島滞在もあと2日。本日は全く未知の浜を狙うことに決めていた。毎日それなりに収穫はあったが、南の島ならではの初物が欲しいところ。全く見も知らぬ浜であったが、偵察がてら結構良い物に出くわすことが今までも多かったので、密かに腕を撫しつつ車を走らせる。
 
 車を置き、海越え山越え1時間。ようやくJ浜に到着する。岩山に挟まれた三日月型の砂浜。何となく、左の側が良さげに見えたので、そちら側の木陰に荷物を置いて着替え、入水。
 
 これから大きく引きます、といった時間帯なので結構近場から深い。その割にあまり透明度は良くない。うーむ。無理せず浅場の転石をしながら岩山の向こう側へ回り込む。水深は4〜5m、大きな岩が点在する中、珊瑚礫がポツポツ、といった感じ。ゴシキエビを冷やかしつつ、探索していくと転石下でハナマル。また、大岩の表面の穴にもハナマル。結構潮当たりの良いところらしい。探索を続けたが、後は転石下でキイロ・コモンを見たくらい。何かいそうな感じなのだが…。まだ結構深いし、沖目はもう少し引いてからにしよう、と転進。浜の中程へ移動してみる。
 
 今度はアマモ帯、その沖に珊瑚の着いた大きな岩が点在する感じ。目についた礫をちょびちょびかえしながら、右の岩山方面へ。
 こちらは…割に浅い。泥を被った転石地帯という風情。たまたまアンボンクロザメが転がっていたので、去年同様お呪い代わりにバッグに入れてみる。転石を続けると、ナツメ・ハナビラが続く。岩山を回り込むと、薄く泥を被った大きな死珊瑚礫がやたらに転がる場所に。これは、と思い激めくりするも不発。お宝の姿全くなし。うーむ。
 
 時刻も13時をまわり、潮も大分引いてきた。先ほどは見送ったやや沖目を、戻りながら転石を続ける。結構良い感じの大きな礫が多いのだが…サバの若貝死殻があったくらい。仕方なく目についたニシキミナシやらを拾う。
 
 これは空振りだったかなあ…荷物のところまで戻ったら揚がろうか、と考える。初日、マウスピースの右側の噛むところを食いちぎってしまい(南紀の冷水事件の際、食いしばり過ぎたか)、海水が口に入りやすい感じで気持ちが悪くなり始めていた。ちょうど荷物を置いた場所の沖(水深3mほど)に到達していたが、ここまで来て何の収穫もないのも悔しく、未練がましくクソ粘り探索を続ける。
 
 
…そこに、眼下にあらわれた一際大きな平らな死珊瑚(畳一枚弱)。疲れた体にむち打って潜水、両手で端をつかみ、思い切り持ち上げる。すぐ手の横から転げ落ちる灰色の姿。
 
 
 
 
 
…見間違いようのない、黒斑4つ。
 
 
 
 
 
 
 
ヨツメダカラ!!!
 
 
よしよし。初物!
 
 
 
 
 
ようやく南国らしい初物が得られてついに強欲モード発動!疲れや気持ち悪さ、弱気の虫は百万光年の彼方へさらば、である。
 
さっそく周りを、と思った時、この大岩を完全に返しきってなかったことを思い出す(おお、冷静。いや当たり前か)。そこで再度チャレンジ、完全に返す。転げ出たのはヤナギシボリ…やはり、いたか。
 
 
 
 
…強欲モード継続。
 
 
 
さらに近くの礫下でウニと同居するヨツメをもう一つ!…と思ったら、写真を撮ろうとしてるうちに転げ落ちてしまい、行方不明に。うーむ残念。まだまだ修業が足りないことを痛感されられた。このあと、クチムラサキ幼貝1を追加(スルー)した後、手仕舞いとすることに決定。
 
 
…またまた山越え海越えて車に戻り、夕暮れまでやや時間があったので、F浜に寄ってマングローブ偵察&打ち上げ探しを楽しむ。ここに来てようやくの「らしい」初物を得て、早めのビールを飲みつつ、外套膜撮影にいそしむ夜となりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
6日目:8月4日(月)
     「ラスト勝負はドッキリ1つ」
 
 いよいよX島最終日。15時過ぎに車を返して島を去るため、13時過ぎくらいまでの限定勝負。とはいえ、干潮はますます遅くなるのでそんなに無理はできまい。浅場で楽しめそうなところ、ということで一昨日残しておいたH浜奥、である。
 
 
 車を置いていざ出発。一昨日以上に潮は高いので、濡れても良い物しか持っていかないようにする。一昨日のポイントを通り過ぎ、岩を乗り越えて砂浜へ。端の岩陰に荷物をおいて入水。見回すとあたりはアマモ帯。見込みがなさそうなので奥へ向かい、岩が突き出た小さな岬付近へ。超浅場で転石を試みる。
 
 
 
 
 
一発目。めくってドキリ。
 
 
 
 
 
 
 
 
ハチジョウ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
紋のそろった美麗な個体。
やっぱりかっこいいなあ…!
 
 
 
 
すぐ近くで幼貝1も。ふむ。
 
 
 
 
…その後、浅場からエッジまであれこれ転石を続けたが、キイロが出たくらい。昼を回り、風が急に出始め、にわかに波立ってきたので(後の台風9号のせいらしい)、早めに撤収した。先だってからの収穫物を痛めないための算段(塩やら氷やら購入)をあたふたと行い、
波の上でジャンプするが如き高速船でX島を後にしたのでありました。
 
                   (おわり)
 
…H浜「八丈敷」付近。ほぼ満潮時。
 
…H浜リーフエッジ。ここからはかなりの落ち込み
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…今年も出ましたサバ。このサバ、前後部の白帯がかなり発達した
「一見ホンサバ」タイプである。
 
…いた!!岩の下はるか奥に潜むハチジョウ若貝。
 
…ハチジョウ×2、カワラガイ。大きい方のハチジョウ、重厚で迫力満点。
 
…上段ヒラマキイモ・カイコガイ?下段カワラガイ。
 
…H浜今年の成果。上段ハチジョウ×2、下段左からヒメホシ生・
サバ生、サバFD・マメシボリFD・アミメ。
 
 
 
 
 
…お初のJ浜。手前から結構深いところが多い。
 
…ゴシキエビ左半身。この後見事に逃走されました(笑)。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…ヨツメ生貝。黒褐色の地に白褐色斑点、突起も白褐色。ちなみに足の裏は白に灰褐色の縁どり。
 
…明るいところからすぐ逃げたがる。前端の黒斑がまさに目玉のようであ
る。
 
…頭部クローズアップ。触角は灰褐色。
 
…J浜での収穫。左ニシキミナシ(ヤドカリもの)、右上段ヨツメ(わーい)
・ヤナギシボリ、下段マルフトコロガイ。アンボンクロザメは当然リリースしました(笑)。
 
…F浜での打ち上げ。上段左ゴマフイモ・スジイモ。下段左ヤエヤマスダレ?・サクラガイ?二枚貝は全く門外漢なので…。わかる方お教え下さい。
 
 
…ラストハチジョウ。背の紋が綺麗。