2008. 8. 20  (神奈川・X海岸)  
…夏恒例のオフ会と南の島修業を終えた私だったが、もう一つ恒例のX海岸行きはまだ。激混みが予想されるお盆休みを避け、かつ良さげな引き具合となるのを待っていた。もう一つ、件のポイントは結構潮の当たりが激しいので、風向きや台風によるうねりの有無も考え合わせる必要があった。そして本日は夏らしい好天。他の予定は放り出して一路X海岸へまっしぐら、である。ツグチガイの動向とともに、何とか他のウサギをゲットすべくあれこれ妄想(イメトレともいう)を繰り広げつつ車を走らせる。

 現地に到着したのは11時半。干潮まであと1時間ほど(中潮)。ポイントを見るとほぼ波静かだが、なぜか時折大きな波が来る、といった感じ。まあ雰囲気は悪くない。平日ではあるが、海で遊ぶ人々もポツポツ。ポイント手前に陣取ってそそくさと着替え、入水。

 いつもの通り、まず見ることにしている岩のイソバナポイントへ向かう。その途中、カメラを試そうと思い、電源を入れようとするとウンともスンともいわない(後にUSBでの外部接続口を閉める蓋がうまく閉まっていなかったようで、そこから海水が侵入した模様。ということで今回は下手な水中写真はナシ)。あきらめて探索のみに集中することに切り替える。何だかサンゴイソギンチャクが多くなった印象。

 ポイント到着。見覚えのある赤・橙・黄の3つ隣あって着いているイソバナからチェック開始。すぐ黄色のイソバナに黄色系ツグチ2(1つは若かったのでスルー)。今年も健在のようで良かった。とはいえ、もぎ取られて落下し、クモヒトデの餌食になっているイソバナもポツポツ見られる。岩下を探る磯物狙いの連中の仕業か?はたまた大波?…うーむ。

流れ込む潮と戦いつつ先へ向かう。今日は海藻が枯れて溶けたこともあるのか、全般的に透明度も低く、あまり見通しが利かない。難しいなあ、と海中でつぶやきつつ沖寄りのエリアの某ポイントへ。ここは手のひらサイズのイソバナが数枚ある変哲もないところなのだが、ツグチ着生の確率が高いのだ。


…1つ目、なし。
…今年も出ました黄色ツグチ。赤いのとは一味違う美しさ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…ついに出たチヂワケボリ。密かに狙い続けていたがようやく発見。発見時は完全に外套膜に覆われていたが、なかなか撮影時には出してくれなかった。この画像では一部がちらりと見える。黄色の突起と下画像のイソバナのポリプを比べてみるとかなり似ている。平面を歩くのは苦手?なのかひょこひょこした感じで可愛らしい。
 
…腹足前部が白く丸く出っ張っているのが面白い。触角は白赤ツートン。
 
…本日の収穫、上段ツグチガイ赤色×4。下段ツグチガイ黄色、チヂワ
ケボリ(やったあ)。
 
…おまけ。「笑うホシキヌタ」。ここの海岸のホシキヌはなぜか綺麗な個
体がほとんどない。
 
…2つ目、薄い赤系のツグチ1つ。ふむ。
 
 
 
…3つ目、表・裏をパパッと見て、いないなあと思って手を離した途端、表に返った枝の一部がちょっと妙なふくらみ具合だな、と引っかかる。
 
 
 
…ん??
 
 
 
 
目を寄せた瞬間、図鑑で実物で見慣れたあの形が浮かび上がる。これはもしや???
 
 
 
 
…疑惑は確信に変わった。一旦浮上して息を整え、再度潜水。ぐっと目を寄せて確認。
 
 
…間違いなし。この浜にきっといると思いつつもなかなか見付からなかったあの姿。
 
やったぜ!
 
 
 
 
チヂワケボリ!!
 
 
 
 
 大きさ1cm足らず、真っ赤な外套膜にポリプ様の黄色の斑点が散りばめられ、見事にイソバナにとけ込んでいる。これでは今まで見逃していても仕方なかったかも…。
 
 
 
 
…とにもかくにも、ツマニケボリに次いで、この浜3種目のウサギ発見。カメラのことなんぞどこかへすっ飛んで強欲モード、発動!
 
とはいえ、ツグチはちょっと離れていても割に目に入るが、これはかなり気を入れないと難しそう。ぐるりとポイントを経巡り、目を寄せてイソバナを寸刻みで探索していく。まあ濁って視界が悪いのも、これなら気にならない。
 
 
 
 
 
…主なポイントを一周したところでの収穫は、大きめツグチを数個(若幼貝はスルー)。すでに14時を過ぎ、干潮から上げに回って、徐々に外の冷たい潮が入り始める。途端に波や流れがきつくなって、ミクロな探索はしづらくなる。踏ん張って体を固定し岩の隙間をのぞき込むため、転石激めくりとは違う疲れが襲ってくる。ふう。
 
 
 結局、底で変なホシキヌタを一つ拾い撤収。早いとこ写真も撮りたかったし、帰りの渋滞も気になったのでここで揚がることにした。
 
 
 
…一年ぶりの恒例X海岸詣でだったが、マイポイント久々のヒットでうまいビールを飲むことができた。次の目標は…もっと長いやつか??
 
 
…チヂワケボリ。一見してツグチに比べると艶がないが、こうして拡大すると、その名の通りの密な横肋がよくわかる。