2010. 1. 4  (神奈川・A海岸)  
 この採集記も何となく7年目を迎えました。いよいよ変わり映えのしない内容ですが、多分この先もこんな感じでずるずると進んでいきますので、どうかお付き合い下さい。

 先月の漁火以来、何やかんやで海には出られず。年末年始の大潮は遠征を、とも画策していたが、意地悪なスケジュール展開により結局延期となってしまった。うーむ…狙うは3月か?

 取りあえずここのところ新年最初の週には海に出ているので、どうしようかと思って潮の具合を見ると昼過ぎに干潮70cmほど。ふむ。仕事を早めに上げて打ち上げ狙い、を画策して家を出る(そのためか、カメラを忘れた…)。

目論見通り昼には作業を終わらせて、そそくさと脱走。干潮まであと1時間ほど、昼飯は後回しにしてとっととA海岸へと車を走らせる。天気は上々、風も穏やかで絶好の日和。人はポツポツ。

 
 A海岸の駐車場に滑り込み、準備しながらしばし思案する。
 
…まずは北の浜をちょい偵察後、最干潮時に本命P浜を攻めるか…。潮が上げてくるとP浜は結構きつくなるので…。北の浜はその後にじっくりと見よう。では、出撃。
 
 
 午後の陽に照らされた海は穏やかで、久々にのどかな感じ。磯には親子連れがポツポツ。
 
 
 北の浜のポイントへ向かう途中、今まで無かったところに貝溜まりができているのを発見、ちょっと探索する。あわよくばウサギ系がないかと探ったが、収穫はクロダカラ1。まあいいや、ここも後刻もう一度来ることにしよう。
 
 
 さらに歩みをすすめて北の浜へ。3ヶ月前の台風の時はごっそり持って行かれていた貝溜まりがほぼ元のように復活している感じ。さらっと探していると転げ出たのはツグチ。打ち上げの癒し系と早速出会い、心が和む。よしよし。
 
…残念ながらこの後は続かず、ちょうど最干潮時間を迎える。P浜の様子も気になっていたので、どこぞの家族連れが出す焼き肉の匂いが漂う中、移動する。
 
 
 さて、P浜を上から眺めると、手前側の崩落が進んでいる様子。真ん中から奥はあまり変化のない感じである。浜は台風の時はほとんどが崩落した礫に埋め尽くされていたが、その後、その上に貝溜まりが形成されつつある雰囲気。手前側はいつも通り、一際厚そうな貝溜まりが形成されている。
 
 期待に胸膨らませつつ降下。まずは手前の大きな貝溜まりから。いかにも何かありそうなのだが、自分的には本当にいい思い出が少ない貝溜まり。結構時間をかけてしつこく掘り返したが何も出ず。ガスの上に口だけのウキダカラがあった位。もちろんスルー。
 
 ため息をつきつつ、中央へ。よく見ると大きめの礫が厚く積もり、その隙間から貝殻が顔を出す、といった状況。ところどころにある貝の多そうな場所を探索してみるが、特に成果なし。割に新しめのカモンを礫の間に見付けた程度。うーむ。
 
 最奥部をうかがうとパラパラと小崩落の音が聞こえ、近づかぬ方が無難な感じ。踵を返して中央に戻る。まだ潮が上げてくるまでには時間がありそうなので、果たしてどうするか…?他へ行くか、それとも…。
…しばし考えたのち、もう少し探索することに決める。まあ久しぶりにせっかく降りたので…。
 
 
 何とはなしに、浜中央近く、今まで一番いい思いをしている場所をチェックしてみる。見た目お世辞にも貝溜まりとは言えないが、礫の間や下に何か埋もれていないか…。
 
 
 
…探索用しゃもじを突き刺して強引に礫をかき分ける。一かき、二かき、三かき目…
 
 
 
…ん?転げ出た貝に目が向く。螺肋のような強い歯。
 
 
 
…サメ?……じゃない!
 
 
 
 
 
 
イボダカラ!
 
 
 
 P浜で通算3個目、久々のヒット。これが今年のお年玉か?それにしても、狭い浜の中、何の変哲もないところなのに、このポイントとの相性の良さはどういうことなのか。過去の採集記を飾ったキムスメ・イボを始め、アジロ・ホンサバ・エ・ヒメホシ成貝・ヤナギシボリなど、このピンポイントで出会ったレア物は数多い。手前のいかにもな貝溜まりと比べて、何とも不思議なことであるが…うーむ。
 
 
 
 
 まあ、とにもかくにも、強欲モード発動!
 
 
 
…ゴロ礫をかき分けつつ前進。結果、ナツメモドキ・ガスアヤメ・クロを追加、まずまずか。  
 
 なお、クチムラサキとクチグロの破片も見付けたがスルー。重いかき分け作業で右腕がいい加減くたびれてきたところで手仕舞いとする(終わった後は写真で見たフランスのブドウ畑の如き砂利畝状態…疲れました)。
 
 
 
 その後、北の浜へ舞い戻り、丁寧に見るも不発。最後に南側の浜を偵察に向かう。先日の台風で橋がもぎ取られたあとがどうなっているか…。
 
 
 夕焼けを狙う一眼さん(…ごついカメラを持って景勝地や寺社に出没する熟年者のこと。)を横目に道をたどると、橋はもぎ取られたまま。先にある貝溜まりを少々つついてクロ・ナツメ×2をゲット、おまけにMarginella風オミナエシを拾って終了とした。
 
 
…今年最初の打ち上げ行であったが、P浜に久々に降りることができ、らしい獲物もゲット出来たのでよかったかな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…お久しぶりのイボ。どのあたりで生息していたのであろうか…。殻長
23.3mm。
 
 
 
 
 
 
 
…オミナエシフリーク。以前メダカラで同じパターンの物を拾ったことがある。
螺塔が残ったMarginella(ヘリトリガイ)風フリーク。
 
 
 
…今回の収穫。上段左からツグチ・オミナエシフリーク・イボ・クロ×3。
下段ナツメモドキ幼・若成・成貝・カモン・アヤメ。ナツメモドキはA海岸に今年も着いていたことは確かそうだ。キイロのポイントには行かなかったので、
そちらの動向はわからないが…。