2007.8.11〜13 南紀オフ貝2007
             〜南風リベンジ編
 よりによって日にち・場所ともジャストで襲来したあの台風4号。そのために7月恒例の南紀オフ貝は中止のやむなきに至り、嘆き悲しむ人々は悔し涙でオークションに走ったり、膨大な金額をヤケ酒・ヤケカラオケで費やした。しかし、不屈の闘志をもつ貝教徒たちはすぐさまリベンジを計画する(百舌鳥さん・t姐・くだまきさん、ありがとうございました)。そしてまた今年も、南紀の海はかの人々を迎えることになった。数々のサプライズと、お約束のハプニングを用意して…。
1日目:8月11日(土) 「一筋縄ではいかぬ!?再会」
…渋滞やK市山中でのパンクを乗り越え、前夜串本入りしていた私。朝宿で目を覚ますとまず気象情報を確認した。天気は上々で特に注意報も出ていない。波高は1.5m…多少うねりがあるとのこと。はるか遠くのナルトか、居座る熱帯高気圧からの南風のせいか…うーむ、微妙。
 
 予定では8時〜9時にいつもの場所に集合、ということであったが、どのみち8時に行っても今回の参加表明メンバーでは誰もいっこない、という確信の元(やな確信…)、取りあえず今日の最初の候補地となりそうなAポイントを見に行く。
 
 
そして、嫌でも目に入るあの光景。
 
 
…波、高いし…
 
 
 まあいつものこと、と気を落ち着かせ周囲をよく観察すると、それほど波立っていない場所も見られ、何とか海には入れそうだ。まだ時間があるので浜に降りて打ち上げを何となく見る。何とかガスウキを一つ見付けたところで8時半。そろそろ行ってみますか。
予定通り無人の集合場所に到着して待つこと数分(あ、携帯の電源は切ってあったんだっけ)、予想外に速く?お馴染みの百舌鳥さんの車があらわれる。が、もう一つお馴染みのゴケミドロ号がいない。不審に思っていると車内から降り立つ3人、百舌鳥さん…t姐…三咫烏さん(あれ?)。
 
 2日前、ブチブチと私のとこの掲示板に書き込みをしていたご本人としては、私が驚かないので不満だったそうだが、関西チームの「直前ダメでいきなり参加パターン」は今までもあったことなので…。
 
 とにもかくにも、副会長の復活参加はめでたい限り。そして、ゴケミドロ号のあのお方は突然不参加ということ。いじられ役のスター不在は実に残念な限りであった。
…Aポイントにて。上段コモン・キイロ。下段サメ(フリーク気味)・
アヤメ・ウキ(打ち上げ)。ここはハナビラが少なめだったような。
 
…Xポイントにて打ち上げ収穫 上段アリソン・エ・スソムラサキ。
下段イボ×3。ここのイボはよく張った立派な個体が多い気がする。
 
…Xポイント打ち上げ◆上段シロオビコダマウサギ・シラタマ・ツマ
ベニメ。中段カモン・ウキ・サメ・アジロ(Dwarf)。下段一瞬ヒロクチ?と思わせたナツメモドキ(フリーク)・カンダニシキニナ?・サラサミナシ幼貝。ニシキニナは全然自信なしですが。
 
 
 
 
 
 
…Pポイントにてヤク3態。左上:「ヨモスガラヤク」(笑)。右上:端正だ
が模様がちょっと面白い。下:桃色ヤク(オーバーキャスト)。
 
…上段ヤク2つの比較。ここまでやるか、とばかりのサイドの肥厚にご注目下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…今回随一の収穫カバフ。水深1m強にて。外套膜をなかなか引っ込めないので、撮影しやすくてありがたかった。
 
…カバフ腹面。口と触角は黄色。結構動きが速い。
 
…Pポイントにて。左:カバフ(やったあ。) 中:ヒメホシ幼貝 右上:サメ 右下:アヤメ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…3日目Dポイントにて。白波が立っているあたりが5月にお宝を確認したライン。なお、よ〜く見るとコワイモノが写っていますね(笑)。
 
…ラストポイント。天気は誠に良いのに…。
 
…左:ネジガイ 中:ヒメネジガイ 右:オオクリムシガイ(これは
生貝)。
 
 とりあえず参加者たちは再会を祝した後、Aポイントへ移動。t姐はハウジング付きカメラも用意して気合いが入っている。一同波のやや少ない北側に入水した。
 
 まだ潮が高いため、まず私は浅場の探索から。X島の波皆無状態に比べ、流され揺られながらの探索は集中力を要する。転石をめくりまくること数十回、艶のある黒い姿が目に飛び込む。
…サメ!小さいが、取りあえずキープ。坊主でなくて良かった。その後やや沖目に乗り出し、転石を続ける。コモン1を追加。沖目はかなり潮が流れている。揺られながら大きな隠れ根へたどり着き、つるっとした感じの岩だったが、ぐるりと一周して割れ目や下の隙間を探索。陰の部分についていたソフトコーラルをめくるとお馴染みのアヤメが登場。珍しいわけではないが、いつ見ても品があって好きな貝だ。このあと、根を巡ってハナマルを冷やかしたが、徐々に流れがきつくなっていくようなので無理をせず撤退した(超浅場でキイロを一つ追加)。他の皆さんもヤクシマ・ホシキヌタ・カミスジ・メ等何がしかの収穫をゲット、中でも早々に揚がったヘタレ男3人(うち1名は南紀の海神に新品ダイバーズウオッチ1を奉納)を尻目に、最後まで粘っていたt姐はヤナギシボリまでも手にしており、その根性には人々はただただ頭を垂れるのみであった。
 
…さて、昼は例によって「ここしかない」レストラン。予定通り、Uさん・@メさん・Aさん(初参加)・PAWさんご一家と続々と合流、今回の参加メンバーがそろった。量はすさまじいチキンカツ籠ランチ(俺か)などを食した一行が次に向かったのは定番Xポイント。しかしそこに待っていたのは、「もしかしたら」というシュノーケル派の淡い期待を打ち破る大白浪。射すような日差しの元、一同は夕刻まで黙々と貝溜まりをかきわけ続けるのであった。
 
…そして夜はいつもの居酒屋で乾杯、これまたいつものように途中から、それぞれの生活をかけた?収集品を開陳しあう、といういつもの展開。その後t姐が強引に全員をカラオケに引きずり込む、という一幕があったのち、男6人は修学旅行の夜の如く布団の敷き並んだ和室で、ぼそぼそぼそぼそと貝談義を続けるのであった。
Aさん、カバザクラありがとうございました。
 
 
2日目:8月12日(日)
     「雨のち晴れ、そして…」
 
 さて2日目。上々の天気、と思っていたら夜明け方から激しい雨。TVの気象情報を見たら見事にここだけに雨雲がかかっている。朝、Aさんから差し入れられた桃で元気を出した一同が出かけたのが私は未体験のPポイント。風向や波、その他もろもろの状況を元にしたホスト百舌鳥さんの鋭い判断であった。
 
 ポイントまで大移動する途中、露出した岩の陰にピカッと光るものが見えたので、つかみ出すときれいなヤクシマ。なかなかこれは期待できそうだ。
 
 延々行軍を続けたのち、ポイントに到着。干潮も迫っており、一同そそくさと入水する。
 
 手前は濁りがあるが、少し先へ行くと潮の流れがあって視界がクリアーに。なるほど、話に聞いていた通り生き物が多い。お宝もハナビラ・ハナマル・特にコモン・ヤクシマは濃い。ついでに言うならイラモも半端なく濃い。が、それを言っては探索は出来ぬ。特に有望な根回りを、潮に翻弄されつつ探索を続ける。ソフトコーラルの下に潜んでいたちょっと面白い模様のきれいなヤクシマを一つキープ(このポイントのヤクシマはきれいなモノが多かった)。
 
…と、その根回りで何個目かの大きな珊瑚礫をひっくり返すと、砂煙とともに2つヤクシマが転げ落ちた。まあいいか、と見送って他へ行こうとした途端、薄れた砂煙の中からあらわれた異様な姿の貝。
 
「…ヨモスガラ………?!(アフリカか!)」
 
 拾い上げて見ると、見たこともないような異常に肥厚したヤクシマ。背の巻き込みといい、輪郭といい、まさにヨモスガラの如し。サプライズネタが出来た、とほくそ笑みつつ袋にしまい込む私。よしよし。この後、もう少し根回りを探索したのだが、一発強烈な波でやや浅場に運ばれ、ちょうど手頃な転石が無数にあったその場所で探索を続けることにした。ここもヤクシマが濃い。大礫・岩棚の陰・穴とつぎつぎに姿を現す。この間のコモン連発〜サバの経験を思い出し、しぶとく転石を続行。そして何十個目だったか、50cmくらいの礫を返したとき、その時は訪れた。
 
…ナツメモドキに似た地味な外套膜。しかし、大きい。
 
 
 
巨大なもどきっち!? (…そんなわけないだろ!)
 
 
 自分で半ば確信しつつ突っ込みを入れ、殻を確認するために貝をつつく。しかし、なかなか外套膜を引っ込めない。こんなところはもどきっちのようだ。
 
 
 
 しかし、ようやく渋々引っ込めて殻の全容が判明する。…間違いなく、初物。
 
 
 
 
 
 
 
カバフダカラ!!!
 
 
 かの南国修業でも打ち上げしか出会えなかった種に、この地で生貝にまみえることに。めざすカノコではないが、別のカの字に出会えた。
 
 
…当然強欲モード発動。
 
 
この後、周辺の探索でA海岸でお馴染みのヒメホシ幼貝生、前夜百舌鳥さんに見せられた逸品には及ばないが、ピンク色の藻類を巻き込んだヤクシマ(これを見て「ド○メ色」という妄言を吐くようなお下劣な輩は、来年ヤクシマの呪いでイラモをわんさかオーバーキャストされるであろう。)をゲット出来た。一休みのため揚がってみると、昨日の奉納の見返りか、副会長がウミウサギ×2(いいなあ)をゲットしたほか、テンロク・ヒナウサギ・巨大カゲロウなどそれぞれが収穫を得ていたようだ。初参加のAさんもハナマル・ハナビラほか当地らしい収穫がゲット出来たようで、よかったです。
 
…ここで@メさん・Uさん・Aさんが離脱、潜り組は予定を変更して、このままこのポイントを午後も攻めることにする(百舌鳥さん、ソーセージもらった上に連絡役させちゃってゴメン。副会長、サンドイッチ美味しゅうございました)。
 
 さて、後半戦。潮はかなり満ち始めている。沖のやや深みを見たいと思った私は、百舌鳥さんを待つ間、浜で拾った木片と発泡スチロールで浮きを作っておいた(奇妙なオブジェとか何とかいう輩は、今後兎の呪いで海底に引きずり込まれるであろう)。
 
 浮きを手に沖へ向かった私であったが、狙った根回りはまたまた潮が速い。何度か探索をしている間に、浮きも流されてどこかへ消えてしまう。うーむ。風向きも変わり、波も高くなってきている様子だったので、潮に逆らわず根から根へドリフト探索を行い、ソフトコーラルの陰でお約束のアヤメを一つゲットして一度浜へ揚がる。
 
 歩いてベースに戻り、気になっていた右手の浅場を狙うことにして再入水。潮もかなり上げて来ており、流れも速い。ハナマルやコモンのたくさんいるあたりを中心に、海胆穴のぞきや転石を繰り返す。が、特に収穫なし。そろそろ揚がろうかと思いつつも、もう一つ、もう一つと石を持ち上げていくと、横目に海底の石の上を結構なスピードで這っていく黒い姿が目に入る。すかさずつまみ上げると正体判明。サメ2個目!
 
…ここで探索を終え、撤収。カモン等も出たものの、お宝関係は午前より低調であった。
 
 着替えをして一足先に戻った私が、駐車場から宿へ行こうとすると2台車が入ってきた。1台目は見知らぬ家族連れ。2台目を運転しているのは…不参加のはずのくだまき会長(あれ?)
 
 何でも都合がついた、とかで今夜の宴貝にも参加とのこと。これは嬉しいサプライズ。しかも時間があったのでXポイントへ行ってきたとのこと。さすがである。当然駐車場で始まる品評会(おいおい)。さらに数分後、百舌鳥さんらやPAWさんも到着、昨日あれだけ探索したはずのXポイントで、数々の逸品を掘り当てた会長の実力に、一同自らの力不足を恥じるのみであった。
 
 そして一同塩や砂を洗い流して宴貝2日目、昨日より人数も少なく、かついじられ役もいない中、静かに熱く大人の貝話が続けられたのでありました(くだまきさん、サガミありがとうございます。また一種増えました。)
 
 
3日目:8月13日(月)
     「晴れてへたれて、そして別れて」
 
 未明に起き出してみるとまた雨。昨日イラモを食らった場所は各所ブツブツ来ているが、抗イラモ性人間(?)の私は見た目ほど痛痒を感じない(確かに痒みはないことはないが)。それよりも、天気はまずまずだが、風は強く白波が立つ厳しい状況。PAWさん一家と別れたのち、一同は悩んだあげく、3年前磯採集でスソムラサキが出たDポイントの干潮狙いに。しかし、現実は甘くない。南東の風がまともに当たる磯のお宝ポイントは、白波のまっただ中。どう見てもあと少しで顔を出すような状況ではない。早々に見限った私は、炎天下の海岸をフラフラして、腹に黒斑の入ったガスヤクでキッコウなどと、一瞬お笑いネタを拾った程度。唯一しっかりシュノーケルしていたt姐は、この悪条件の中ヤクシマをゲットしていた。
 
その後、一行はRポイントへオオクリムシ探しに。強い日差しの元、私はまったり転石を楽しんでイトカケ2オオクリムシ1をゲット(誰かさんのようにお姉さん観察はしなかったですよ)。
 
そして昼過ぎにそこで解散。南紀で久々に良品に恵まれた私は、百舌鳥さん一行と握手を交わし、長い帰路へと旅だったのでありました。
 
                      (おわり)